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アメリカ政治トランプ、連邦債務上限3カ月引き上げなどで議会指導部と合意
9月6日、トランプ米大統領(写真)は、連邦債務上限の3カ月引き上げと政府機関の閉鎖回避、災害救済措置で、共和・民主両党の指導部と合意した。4月撮影(2017年 ロイター/Joshua Roberts)
トランプ米大統領は6日、連邦債務上限の12月15日までの3カ月引き上げと政府機関の閉鎖回避、災害救済措置で、共和・民主両党の指導部と合意した。
共和党主導の議会を通過すれば、米国債のデフォルトが回避され、2018年会計度が始まる10月1日からの3カ月間の政府資金が手当てされるほか、ハリケーン「ハービー」の被災者への支援が可能になる。
トランプ氏は民主党のペロシ下院院内総務、シューマー上院院内総務と度々対立してきたが、共和党指導部が難色を示した両氏の債務上限3カ月引き上げ案を受け入れた。
シューマー氏は、記者団に対し「これは非常にポジティブな前進だ」と指摘。「国民は安堵できる。われわれはデフォルトと政府機関の閉鎖を回避した」と語った。
共和党のマコネル上院院内総務は、合意案を上院で採決する意向を示した。記者団に対し「(トランプ氏は)国家の危機的状況下で不和を生じさせるのではなく、協力する必要があると考えた」と説明した。
ある共和党議会側近によると、同党指導部は民主党指導部との会合で、18カ月の債務上限引き上げを要請し、6カ月引き上げ案も可能性として挙げたが、ペロシ、シューマー両氏は6カ月引き上げ案を拒否。トランプ氏が民主党案に合意したという。
トランプ氏はホワイトハウスで行われた同協議について、友好的かつプロフェッショナルだったと表現した。
関係筋によると、会合に出席したムニューシン財務長官ら共和党メンバー全員が、より長期間の債務上限引き上げを支持したが、最終的にトランプ氏が民主党の3カ月引き上げ案に賛成した。
共和党のライアン下院議長は民主党案に強く反発し、記者団に対し「ばかげた考えだ」と述べていた。
米下院は6日、ハリケーン「ハービー」の被害の救済・復興支援に向けた80億ドル規模の支援措置第1弾を承認した。
上院での採決で承認されれば、週内にも大統領が署名することになる。