最新記事

アメリカ政治

トランプ、連邦債務上限3カ月引き上げなどで議会指導部と合意

2017年9月7日(木)11時10分

9月6日、トランプ米大統領(写真)は、連邦債務上限の3カ月引き上げと政府機関の閉鎖回避、災害救済措置で、共和・民主両党の指導部と合意した。4月撮影(2017年 ロイター/Joshua Roberts)

トランプ米大統領は6日、連邦債務上限の12月15日までの3カ月引き上げと政府機関の閉鎖回避、災害救済措置で、共和・民主両党の指導部と合意した。

共和党主導の議会を通過すれば、米国債のデフォルトが回避され、2018年会計度が始まる10月1日からの3カ月間の政府資金が手当てされるほか、ハリケーン「ハービー」の被災者への支援が可能になる。

トランプ氏は民主党のペロシ下院院内総務、シューマー上院院内総務と度々対立してきたが、共和党指導部が難色を示した両氏の債務上限3カ月引き上げ案を受け入れた。

シューマー氏は、記者団に対し「これは非常にポジティブな前進だ」と指摘。「国民は安堵できる。われわれはデフォルトと政府機関の閉鎖を回避した」と語った。

共和党のマコネル上院院内総務は、合意案を上院で採決する意向を示した。記者団に対し「(トランプ氏は)国家の危機的状況下で不和を生じさせるのではなく、協力する必要があると考えた」と説明した。

ある共和党議会側近によると、同党指導部は民主党指導部との会合で、18カ月の債務上限引き上げを要請し、6カ月引き上げ案も可能性として挙げたが、ペロシ、シューマー両氏は6カ月引き上げ案を拒否。トランプ氏が民主党案に合意したという。

トランプ氏はホワイトハウスで行われた同協議について、友好的かつプロフェッショナルだったと表現した。

関係筋によると、会合に出席したムニューシン財務長官ら共和党メンバー全員が、より長期間の債務上限引き上げを支持したが、最終的にトランプ氏が民主党の3カ月引き上げ案に賛成した。

共和党のライアン下院議長は民主党案に強く反発し、記者団に対し「ばかげた考えだ」と述べていた。

米下院は6日、ハリケーン「ハービー」の被害の救済・復興支援に向けた80億ドル規模の支援措置第1弾を承認した。

上院での採決で承認されれば、週内にも大統領が署名することになる。

[ワシントン 6日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰

ワールド

トランプ氏、安保副補佐官に元北朝鮮担当ウォン氏を起

ワールド

トランプ氏、ウクライナ戦争終結へ特使検討、グレネル

ビジネス

米財務長官にベッセント氏、不透明感払拭で国債回復に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでいない」の証言...「不都合な真実」見てしまった軍人の運命
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 6
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 9
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 10
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 9
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 10
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中