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北朝鮮北朝鮮が新型ICBMの開発示唆する写真公開
8月24日、北朝鮮は、これまでに発射したICBMよりも強力なものを開発しているとのメッセージを発しているもようだ。ミサイルの専門家が明らかにした。写真は視察中の金正恩朝鮮労働党委員長。KCNAが23日提供。撮影日不明(2017年 ロイター)
北朝鮮は、これまでに発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)よりも強力なものを開発しているとのメッセージを発しているもようだ。ミサイルの専門家が24日、明らかにした。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)は23日、金正恩朝鮮労働党委員長が「火星13」と称した3段式ミサイルの横に立っている写真を公開した。
このようなICBMが開発された場合、ニューヨークや首都ワシントンを含む米国本土はどこでも射程距離に入ると専門家らは指摘する。
専門家らは写真を分析。ミサイルが完全に開発されたことを示すものはないとした。どちらの場合でも、まだ飛行試験はしていないため、飛距離を推測することは不可能だとした。ただ3段式ミサイルは、7月に2度にわたり発射された2段式の「火星14」よりも強力だと指摘。韓国と米国の当局者や専門家は「火星14」の飛距離を1万キロと推測しており、米国の大半に届くが東海岸には届かないと分析していた。
ソウルの慶南大学極東問題研究所の軍事専門家、キム・ドンヨプ氏は「火星13は、米国本土全部が射程距離に入る1万2000キロ級のICBMとみる」と述べた。
飛距離が1万1000キロを超えると、北朝鮮のどこから発射しても首都ワシントンやニューヨークに届くことになる。
北朝鮮との軍事協議で韓国の代表を務めたことがある軍縮専門家で退役准将のMoon Sung-muk氏は「より強力で飛距離の長い3段式に取り組んでいることを示すための写真だろう」とした。「推定距離が9000キロから1万キロの火星14は実験済みだ。今回のミサイルがさらに遠くに届くとのメッセージを発しているのだろう」との見方を示した。
ティラーソン米国務長官は22日、北朝鮮は核・ミサイル開発をこのところ自制していると評価し、「近い将来のいつかの時点で」対話に道が開かれる可能性があるとの考えを示した。
国務省報道官は今回の写真の撮影時期について、国務長官の22日の発言の前か後かは不明だと説明。「われわれはここ3週間あまり、(北朝鮮が)ミサイルの発射や実験を行っていないことを歓迎すべき一歩だと考える」と述べた。
しかしその上で、北朝鮮は誠意をもって交渉に臨む姿勢を示すためにさらなる努力をすべきだとの考えを示した。