最新記事

事故

米海軍の駆逐艦また衝突事故 世界で艦隊運用を一時停止へ

2017年8月22日(火)09時36分

8月21日、米海軍によると、同軍のミサイル駆逐艦「ジョン・S・マケイン」が、シンガポールの東方沖で商船1隻と衝突し、船員5人が負傷、10人が行方不明となっている。米海軍提供写真。2010年5月撮影(2017年 ロイター/U.S. Navy)

米海軍のミサイル駆逐艦「ジョン・S・マケイン」が21日、シンガポールの東方沖でタンカーと衝突する事故が発生し、海軍は同日、安全性を確認するため調査を行うとともに、艦隊の運用を一時停止すると発表した。

事故では船員5人が負傷、10人が行方不明となっている。

同艦はシンガポールの港に向かう途中にタンカーと衝突し、左舷後部を損傷したという。

トムソン・ロイターのデータによると、駆逐艦と衝突したのはリベリア籍のタンカー「Alnic MC」。

タンカーの乗組員はロイターの電話取材に対し、タンカーは台湾からシンガポールに約1万2000トンの燃料油を運搬中で、衝突に伴う油の流出はないと語った。

6月には米海軍の駆逐艦「フィッツジェラルド」が伊豆半島沖でコンテナ船と衝突する事故が起きたばかりで、アジアの海域で米海軍駆逐艦が関わる事故が起きるのはここ2カ月余りで2度目。

リチャードソン海軍作戦部長は今回の事故について、意図的な衝突やサイバー攻撃などの可能性を示す証拠は今のところ見当たらないと説明した上で、「調査では全ての可能性を検討する」と述べた。

同氏は記者団に対し、週内にも全世界で1─2日の艦隊運用停止を順次実施し、安全で効果的な運用を実現するための措置について話し合う方針を明らかにした。

調査では日本に派遣された兵士の訓練について、「兵士が軍事作戦や戦闘に対応する準備ができるようあらゆる措置を講じているか確認する」との考えを示した。

具体的には「作戦の速度や人員、機材、保守作業の傾向」などについて迅速に精査するとし、「原因を突き止める必要がある」と述べた。

[シンガポール/ワシントン 21日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰

ワールド

トランプ氏、安保副補佐官に元北朝鮮担当ウォン氏を起

ワールド

トランプ氏、ウクライナ戦争終結へ特使検討、グレネル

ビジネス

米財務長官にベッセント氏、不透明感払拭で国債回復に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    「何も見えない」...大雨の日に飛行機を着陸させる「…
  • 8
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 9
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 10
    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中