最新記事

コンプライアンス

タカタ、下請け代金を不当に減額 公取が支払いと再発防止を勧告

2017年7月18日(火)18時21分

7月18日、公正取引委員会は、民事再生法手続き中のタカタ<7312.T>に対し、下請け代金から総額約2億4976万円を不当に減額したなどとして、下請法違反で再発防止を求める勧告をした。写真は都内で2015年11月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

公正取引委員会は18日、民事再生手続き中のタカタ<7312.T>に対し、エアバッグやシートベルトの部品メーカーなど下請け企業64社に支払うべき代金から総額約2億4976万円を不当に減額したなどとして、下請法違反(減額の禁止)で下請け企業への減額分支払いと再発防止を求める勧告をした。

公取委が違反と認定したのは、1)タカタが下請け企業に対してコストダウンを要請し、下請け代金から一定金額(総額で約2億1540万円)を差し引いていた、2)単価を引き下げる際、新単価で下請け企業と合意した日よりも前に旧価格で発注したにもかかわらず、合意日以降の「納入分」から新価格を適用していた、3)原材料の市場価格の下落により下げた単価を、過去に発注して納品された分までさかのぼって適用し、下請け代金から単価引き下げによる差額分を差し引いていた──の3つの行為。

公取委が違反として認定した期間は、(1)と(2)が2015年12月から17年2月まで、(3)が16年1月から同年10月まで。ただ、公取委の調査によると、(1)については、タカタの調達部門担当者が「数十年前」から行われていたと証言している。また、いずれの行為もタカタ側に違反の認識はなかったが、下請法は故意・過失を問わない。

公取委の道下正子・上席下請取引検査官によると、タカタの行為は「公取委が以前から問題にしてきた典型的な違反行為」であり、「これを知らずにやっていたとなれば、コンプライアンス(法令順守)に対する意識の低さを指摘せざるを得ない」という。

公取委が民事再生手続き中の企業に対して勧告するのは初めてで、減額分支払いの可否については民事再生法に基づいて行われる。また、タカタに対して順守体制の整備など1カ月以内に改善報告を提出するよう求めた。

(白木真紀)

[東京 18日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏の政権復帰に市場は楽観的、関税政策の先行

ワールド

フーシ派、イスラエル関連船舶のみを標的に ガザ停戦

ビジネス

高関税は消費者負担増のリスク、イケア運営会社トップ

ワールド

「永遠に残る化学物質」、EUが使用禁止計画 消費者
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 6
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 7
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 8
    メーガン妃とヘンリー王子の「山火事見物」に大ブー…
  • 9
    注目を集めた「ロサンゼルス山火事」映像...空に広が…
  • 10
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 6
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 9
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中