7日開幕ハンブルクG20サミット 賭けに出るメルケル、盟友は習近平?
これに対し、デモ隊数万人が会議場を取り囲む計画。警備当局者によると、8000人程度は無政府主義者や左寄りの過激派で、会議前夜に「地獄へようこそ」と称する資本主義への抗議行動を計画している。他のデモ隊は会議当日に抗議行動を行う見通しだ。
警察はまた、トルコと武装闘争を繰り広げる非合法武装組織クルド労働者党(PKK)と、エルドアン大統領を支持するトルコの愛国主義者らとの衝突も警戒している。
気候、貿易、移民
政策面では、トランプ大統領の「米国第一主義」がドイツ政府にとって最大の頭痛の種だ。
大統領は、G7諸国の訴えを無視して地球温暖化防止の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を決定。イタリアのシチリア島で先月開かれたG7サミットの首脳宣言に明記された「保護主義と闘う」との誓いも破っているようだと、ドイツ高官らは指摘する。移民問題でもドイツと意見が対立する。
気候変動と貿易に関して、G20サミットでメルケル氏の一番の相棒は習近平・中国国家主席だった、ということになるかもしれない。
ブリュッセルのシンクタンク、エルカノ・ロイヤル・インスティテュートのシニア・リサーチ・フェロー、ウルリッヒ・スペック氏は「何でもありだ。西側諸国に明確な姿勢があるわけではない。国際社会の景色が一変してしまった」と話した。
(Noah Barkin 記者)