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エネルギーサウジとUAE、カタール船入港禁止 液化石油ガスの日本供給に懸念
6月5日、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)の各港では、両国がカタールと断交したことを受けて、カタール船籍の船舶の入港が禁じられた。写真は2008年4月、スエズ運河を航行するカタールのLNG船(2017年 ロイター)
サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)の各港では、両国がカタールと断交したことを受けて、カタール船籍の船舶の入港が禁じられた。カタールからの石油・ガス輸出が混乱する恐れも高まっている。
サウジの港湾当局者は5日ツイッターで、カタールの国旗を掲揚している船舶や、カタールの企業・個人所有の船舶を受け入れないよう海運業者に通達したと明らかにした。また、カタール製品のサウジ港湾での荷降ろしを許可しないと明言した。
ロイターが確認した通達によると、UAEのフジャイラ港湾当局は「今後新たな通知があるまでは、カタール国旗を掲揚する船舶またはカタールを発着する船舶は、目的のいかんを問わず、フジャイラ港またはフジャイラ沖停泊地への寄港を禁止する」としている。
サウジとUAE、エジプト、バーレーンは5日、カタールがテロを支援しているとして、交通を含めたカタールとの一切のつながりを断絶することを発表した。
カタールは液化天然ガス(LNG)の輸出では世界最大。産油量は日量約60万バレルで、原油輸出に関してはそれほど大きくはない。ただ、液化石油ガス(LPG)とコンデンセートの主要輸出国であり、その多くは日本や韓国向けに長期供給契約で輸出されている。
欧州企業のトレーダー(在シンガポール)は今回の禁輸措置で、カタール産原油やコンデンセートの買い付け業務がより難しくなるとの見通しを示した。
市場関係者は一様に事態の急激な展開に驚いており、UAEとオマーン向けのカタール産ガスが供給停止されるかどうかを注視している。