最新記事

情報セキュリティ

FBIが露カスペルスキーを捜査 米上院は軍のソフト使用禁止提案

2017年6月29日(木)13時11分

6月28日、米上院軍事委員会は、ロシアの情報セキュリティー大手カスペルスキー研究所の製品を米国防総省で使用することを禁止する内容を盛り込んだ国防予算案を承認した。写真はモスクワにあるカスペルスキー研究所。2013年7月撮影(2017年 ロイター/Sergei Karpukhin)

米上院軍事委員会は28日、ロシアの情報セキュリティー大手カスペルスキー研究所の製品を米国防総省で使用することを禁止する内容を盛り込んだ国防予算案を承認した。また、27日夜には米連邦捜査局(FBI)がカスペルスキー研究所に対する捜査の一環として同社の米国社員から事情聴取した。

関係筋によると、FBI捜査官は27日夜、米国の複数都市で同社社員宅を訪問した。捜査令状はなかった。

カスペルスキー研究所は28日、FBI捜査官が一部の米国社員と「短時間やり取りした」とする声明を発表した。

これとは別に、米上院軍事委員会は28日、委員会で可決された国防予算法案を公表した。法案には、「ロシア政府の影響を受ける可能性がある」としてカスペルスキー研究所のソフトウエアを国防総省で使用することを禁止する内容が盛り込まれた。

法案にこの修正を加えたジーン・シャヒーン上院議員(民主党)は、米議員やトランプ政権当局者の間では、特に国家安全保障に不可欠なコンピューターシステムなど重要なインフラを守る上でカスペルスキー研究所を信頼することはできないというのが共通認識だと述べた。

カスペルスキー研究所は28日、「確かな証拠もなく当社が不当に非難されていることは容認できない」とする声明を発表した。

カスペルスキー研究所のセキュリティーソフトを巡っては、米情報当局の高官が5月に上院情報委員会で、米政府による使用について見直しを行っていると証言している。

[ワシントン/ニューヨ-ク 28日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏の書簡、近くイランに到着=外相

ビジネス

英、決済規制当局を廃止 金融監督機構改革で企業の負

ワールド

ロシア「米からの報告待つ」、ウクライナ停戦案にコメ

ビジネス

ユーロ圏インフレ、貿易・防衛ショックで増幅リスク=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 3
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「腸の不調」の原因とは?
  • 4
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 5
    スイスで「駅弁」が完売! 欧州で日常になった日本食、…
  • 6
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 7
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 8
    トランプ=マスク独裁は許さない── 米政界左派の重鎮…
  • 9
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 10
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 4
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 5
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 6
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 7
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 8
    「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない…
  • 9
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 10
    著名投資家ウォーレン・バフェット、関税は「戦争行…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中