最新記事

アメリカ政治

米CA州などパリ協定の目標達成へ気候同盟を設立 他国とも連携へ

2017年6月2日(金)16時18分

6月1日、トランプ米大統領が「パリ協定」から離脱すると発表したことを受け、カリフォルニア州をはじめとする米国内の自治体が独自に気候変動対策に取り組む動きを加速させている。写真はカリフォルニア州のブラウン知事。2014年1月撮影(2017年 ロイター/Max Whittaker)

トランプ米大統領が1日、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から米国が離脱すると発表したことを受け、カリフォルニア州をはじめとする米国内の自治体が独自に気候変動対策に取り組む動きを加速させている。

カリフォルニア州のブラウン知事はロイターに対し、「トランプ大統領の非常識な決定に米国民が対抗できる道がここにある」と語った。

同州議会上院では前日、2045年までに州内の小売り電力の100%を再生可能エネルギーでまかなうことを義務付ける法案が可決された。

カリフォルニア州とオレゴン州では低炭素燃料規制が進んでいる。州知事や専門家は、他の州がこれにならい、ゼロエミッション車規制が広がり、炭素税などの対策が統合される可能性もあると指摘。こうした独自の取り組みにより、米国が引き続き温室効果ガス排出削減に努めていることを世界に示せると考えている。

ワシントン州のインスレー知事は「各州が温室効果ガスの排出取引市場を強化し、カナダのケベック州とカリフォルニア州のように国境を超えた統合が実現する可能性がある」と語った。

インスレー知事とブラウン知事、ニューヨーク州のクオモ知事は1日、パリ協定の目標達成に独自に取り組む州からなる「気候同盟(climate alliance)」の創設を発表した。

ブラウン知事は2日、パリ協定の目標達成に取り組む世界の国や自治体などで構成される「Under2」協定の会合を率いるため、中国に向かう。

同知事は、カリフォルニア州と中国の地方政府の排出取引制度を統合する可能性を模索していると語った。

ヒューストンやニューオーリンズなど米国の50以上の市からなるグループも1日、声明を出し、再生可能エネルギーやエネルギー効率化への投資拡大を継続する方針を確認した。

[サンフランシスコ 1日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米経済は良好、物価情勢の進展確認まで金利据え置く必

ワールド

ヨルダンのアブドラ国王が退院、ヘルニアで手術 19

ワールド

仏、ウクライナ問題巡る2回目会合を19日開催 加・

ワールド

ケロッグ米特使、東欧駐留米軍の規模維持を確約=ポー
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 2
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「20歳若返る」日常の習慣
  • 3
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防衛隊」を創設...地球にぶつかる確率は?
  • 4
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 5
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 6
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 7
    祝賀ムードのロシアも、トランプに「見捨てられた」…
  • 8
    ウクライナの永世中立国化が現実的かつ唯一の和平案だ
  • 9
    1月を最後に「戦場から消えた」北朝鮮兵たち...ロシ…
  • 10
    「レアアース」と軍事支援...米国・ウクライナの危う…
  • 1
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 2
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だった...スーパーエイジャーに学ぶ「長寿体質」
  • 3
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン...ロシア攻撃機「Su-25」の最期を捉えた映像をウクライナ軍が公開
  • 4
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 5
    【徹底解説】米国際開発庁(USAID)とは? 設立背景…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    週に75分の「早歩き」で寿命は2年延びる...スーパー…
  • 8
    イスラム×パンク──社会派コメディ『絶叫パンクス レ…
  • 9
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 10
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 9
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中