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中東イラクのクルド自治区、独立問う投票9月実施 対政府交渉力強化へ
6月8日、イラクのクルド人自治区は7日、独立の是非を問う住民投票を実施する方針を表明した。写真は自治政府のバルザニ議長。2016年9月撮影(2017年 ロイター/Khalid al Mousily)
イラクのクルド人自治区は7日、独立の是非を問う住民投票を実施する方針を表明した。自治政府のバルザニ議長がツイッターで「住民投票の実施日を9月25日に設定したと発表するのを喜ばしく思う」と述べた。
バルザニ氏の側近もツイッターに投稿し、住民投票はキルクーク、マクムール、シンジャル、カナキンの4カ所で行うと説明した。
ただ、イラク政府は住民投票実施に強く反対する公算が大きい。シーア派系の政治運動組織、イラク・イスラム最高評議会のアンマール・ハキーム議長は特に、クルド勢力が大規模油田を抱えるキルクークを編入することがないよう警告を発している。
これについてクルド自治政府高官の1人は4月、ロイターに対して投票で独立賛成が多数となれば、自治拡大に向けたイラク政府に対する交渉力が強まる効果があると指摘。必ずしも自動的に独立宣言につながるわけではないとの見方を示した。
アルビルのテレビによると、クルド自治政府当局者が今後バグダッドを訪れて住民投票の計画を話し合う見通し。またクルド人自治区の議会選挙が11月6日に予定されるという。
クルド人自治区の独立に関しては、自国内のクルド人の居住地域に波及しかねないと懸念するトルコやイラン、シリアといった近隣諸国も反対の立場を維持している。