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経済危機貧者の「糞爆弾」にベネズエラ政府が抗議「生物化学兵器だ」
「政府がガスを使うなら俺たちは……」(5月10日、カラカスの反政府デモに「糞爆弾」を持参した市民) Carlos Garcia Rawlins-REUTERS
<経済危機下で困窮し、反政府デモをすれば弾圧される。そこでベネズエラの貧者が考案した究極の新兵器とは>
経済危機下のベネズエラでは、食料や薬品が不足し、幼児死亡率は上昇するなど、苦しい生活が続いている。社会主義政権を率いるニコラス・マドゥロ大統領は危機の深まりとともに独裁色を強め、平和的な抗議デモにも銃を向けた。
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追いつめられた人々が持ち出したのは、究極のショック兵器、モトロフカクテルならぬ「大便カクテル」だ。中身はその名の通り。プラスチックボトルに人間の便と水を入れた新兵器である。たちまち「糞爆弾」と命名された。
ベネズエラ政府も黙っていなかった。この爆弾は「生物化学兵器」に相当し、厳しく処分する、と言うのだ。
「これは生物兵器だ」と、政府の法務監査官マリーリズ・バルデスは先週水曜、国営テレビに語った。「生物化学兵器の使用は犯罪だ。厳しい罰則が伴う」
「糞爆弾」が初めて使われたのは5月最初の週末。首都カラカスの郊外にあるロステケスの町で、デモ隊が国家警備隊の兵士たちに投げつけたのだ。報道によれば、兵士たちは戦慄し、嘔吐して、治安どころではなくなった。
糞でも投げるしかない
人々はオンラインであっと言う前に爆弾の「レシピ」をシェアしたので、新兵器は瞬く間に広がったと、スペイン語新聞エル・パイスは伝える。「政府が催涙ガスを使うなら、俺たちは排泄物を使う」というスローガンも生まれ、週明けまでには全国数都市とカラカスにも登場した。
ベネズエラでは、最近の暴動で少なくとも37人が死に、700人以上が負傷した。だがマドゥロは、デモ隊は右派の野党に金で雇われた傭兵で、死因は自家製銃の暴発だとした。
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デモが本格化したのは今年3月、政府寄りの最高裁が、野党が支配する議会を機能停止にした後に始まった。最高裁はすぐに判断を撤回したが、デモは止まなかった。
マドゥロへの退陣圧力は、2014年の原油価格急落でベネズエラ経済が崩壊して以来、強まる一方。先週発表された今年1~4月のインフレ率は93.8%に達した。また去年の幼児死亡率は30%に達し、妊産婦死亡率は65%増加した。
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