最新記事

対テロ戦争

アフガニスタンでISIS最高幹部を殺害 米軍との合同作戦で

2017年5月8日(月)16時05分

5月7日、米国とアフガニスタン両軍による合同軍事作戦の結果、過激派組織「イスラム国」(IS)のアフガニスタン最高幹部を殺害したと、両国の当局者が発表した。写真は、同組織壊滅を目指す米軍が初めて実戦投入した、非核兵器として最強とされる「大規模爆風爆弾」(MOAB)が投下された同国ナンガハル州で先月23日撮影(2017年 ロイター/Parwiz)

米国とアフガニスタン両軍による合同軍事作戦の結果、過激派組織「イスラム国」(IS)のアフガニスタン最高幹部を殺害したと、両国の当局者は7日発表した。

死亡したのはアブドゥル・ハシブ幹部で、米軍のドローン攻撃により死亡した前任者の後を継いで、昨年ISの現地組織「イスラム国コラサン」(ISIS-K)の指導者に就任した。

米軍の発表によると、ハシブ幹部は今年3月に首都カブールで起きた、軍の病院に対する襲撃事件を首謀したとみられている。また同幹部は、住民の高齢者の首を家族の目の前で切り落とすよう戦闘員に命じたほか、女性や子どもを誘拐し、戦闘員との結婚を強要していた疑いももたれている。

ISIS-Kは2015年ごろから活動を始め、政府軍や駐留米軍だけでなく反政府武装勢力タリバンとも戦闘を続けている。ISとの関係も維持しているとみられるが、ほぼ独立して活動していると考えられている。

米国とアフガニスタンの特殊部隊は今年3月以降、同組織に対する一連の軍事作戦を行ってきた。ドローン攻撃や空爆による支援を受けながら、パキスタンとの国境に接するナンガルハル州を中心に多数の戦闘員を殺害した。

同組織の壊滅を最優先事項に掲げる米軍は先月、非核兵器としては最強とされる「大規模爆風爆弾」(MOAB)を初めて実戦投入し、幹部4人を含む戦闘員94人を殺害した。

[カブール 7日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!

ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米旅客機衝突墜落事故、死者60人超か 生存者なしの

ビジネス

ECB理事会後のラガルド総裁発言要旨

ビジネス

ECB、4会合連続利下げ 一段の緩和排除せず

ワールド

南ア中銀、0.25%利下げ 貿易戦争の潜在的影響を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 3
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望している理由
  • 4
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 5
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 6
    空港で「もう一人の自分」が目の前を歩いている? …
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 9
    世界一豊かなはずなのに国民は絶望だらけ、コンゴ民…
  • 10
    トランプ支持者の「優しさ」に触れて...ワシントンで…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 3
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 6
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 7
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 8
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 9
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 10
    軍艦島の「炭鉱夫は家賃ゼロで給与は約4倍」 それでも…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 7
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 8
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 9
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中