トランプ、大統領就任100日 公約は果たせたかチェックまとめ
4月27日、トランプ米大統領(写真)は29日、就任から100日目を迎えた。同氏は最初の100日間で様々な公約を実現するとしていたが、成果はまちまちだ。写真はペンシルベニア州ハリスバーグ で4月撮影(2017年 ロイター/Carlo Allegri)
トランプ米大統領は29日、就任から100日目を迎えた。同氏は最初の100日間で様々な公約を実現する就任から100日間の歩みをまとめた。
ヘルスケア
オバマケア(医療保険制度改革法)の見直しは、大統領選中の最大の公約の1つだったが、オバマケア改廃法案は共和党内の支持が得られず、3月下旬に撤回された。
その後、修正版のオバマケア改廃法案には、このほど下院共和党の保守派で構成する「フリーダム・コーカス」が支持を表明したが、党内穏健派から十分な支持が得られるかは不透明。上院通過のハードルは、さらに高いとみられている。
減税
トランプ氏は、1980年代以来最大の税制改革を実施すると繰り返し表明してきた。大統領はこのほど、税制改革の基本方針を表明。(1)法人税率を35%から15%に引き下げ(2)個人所得税の最高税率を35%に引き下げ(3)相続税の廃止(4)海外利益の本国送還(レパトリ)に対する税率を一時的に引き下げる━━ことが柱。
ただ、詳細は明らかにしておらず、共和党幹部の間でも、改革の「道しるべ」程度にしかならない、との声が漏れている。
外交政策
外交政策は、この100日間で大きく変わった。
・ロシア:大統領選中は、プーチン大統領を高く評価し、対ロ関係の改善に動く意向を示唆していた。その後、トランプ陣営が選挙期間中にロシア側と接触していた疑惑が浮上。トランプ氏は、このところプーチン大統領と距離を置く姿勢をみせている。
4月初旬には、トランプ氏が決定したシリアへの巡航ミサイル攻撃をプーチン氏が非難。トランプ氏は、対ロ関係が「史上最悪かもしれな
い」と発言した。
・北朝鮮:北朝鮮の核兵器・ミサイル開発は、トランプ氏にとって、安全保障上の最大の脅威とみられている。トランプ政権は、国際制裁の強化と外交圧力を通じて、北朝鮮の兵器開発を阻止する方針。トランプ氏は、北朝鮮への対応を強化するよう、中国に圧力をかけている。
・北大西洋条約機構(NATO):トランプ氏は、選挙期間中にNATOを「時代遅れ」と批判していたが、4月中旬には「時代遅れではない」と評価する姿勢に転じた。
・シリア:トランプ氏は、就任初日に、シリア内戦への関与をこれ以上深めたくないと述べていたが、シリアで化学兵器が使用されたことを受けて、シリア空軍基地への巡航ミサイル攻撃を指示した。