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米ロ関係トランプ、シリア問題めぐり「米ロ関係、史上最悪の冷え込み」
4月12日、米国のトランプ大統領は、ロシアとの関係がうまくいっていないとの憂慮を示し、両国関係は「史上最悪」かもしれないとの懸念を示した(2017年 ロイター/Jonathan Ernst)
米国のトランプ大統領は、ロシアとの関係がうまくいっていないとの憂慮を示し、両国関係は「史上最悪」かもしれないとの懸念を示した。
トランプ大統領は「現時点で、ロシアとはうまく付き合うことがまったくできていない。ロシアとの関係は、もしかしたら史上最悪に冷え込んでいるかもしれない。これは、長い時間をかけてこうなったものだ。ただ、これからどうなるか見極めるつもりだ」と述べた。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで大統領は、「紛争の平和的解決」の一環としてアサド大統領に退任を求める考えはないと表明した。
WSJはトランプ氏の発言として、アサド大統領が再度化学兵器を使用した場合は米国が再度の軍事行動に踏み切る可能性があると報じた。ただトランプ氏は、紛争に深くかかわるつもりはないとも示唆したという。
一方、ロシアのプーチン大統領は12日、トランプ政権下でロシアと米国との間の信頼関係は悪化したとの考えを示した。米国のティラーソン国務長官がモスクワを訪問するなか、異例の厳しい態度の表明となる。
ティラーソン長官はこの日、ロシアのラブロフ外相と約3時間にわたり会談。その後プーチン大統領との会談に臨んだ。米国のシリア攻撃をめぐり米ロの関係が冷え込むなか、ロシア大統領府は当初、プーチン氏のティラーソン長官との会談について確認を拒否していた。
プーチン氏はこうしたなか、ロシアのテレビで放映されたインタビューで、「実務レベル、特に軍事面において、信頼の水準は改善せず、逆に悪化したと言える」と指摘。シリアのアサド大統領に対する支持をあらためて表明したうえで、アサド政権が化学兵器を使用したとの見方を再度否定した。
ラブロフ外相はティラーソン氏との会談の冒頭、記者団を前に、米国によるシリア攻撃は違法とし、米国の行動を非難。「2国間、および多国間関係をめぐり米政府がこれまでに発した非常にあいまいで、時に矛盾する考えを念頭に置き、われわれは多くの疑問を持っているとの事実を隠すつもりはない」と述べ、異例に冷淡な発言でティラーソン氏を迎えた。
昨年、プーチン大統領はトランプ大統領を強い人物だとして評価し、国営テレビでも大げさに賞賛する報道を行っていたことから考えると、米政権に対するロシアの対立姿勢は当時から一転したことになる。