韓国THAAD配備に反発、中国が韓国旅行商品の販売停止へ
中国国家観光局は旅行代理店に対して、韓国行き旅行商品の販売を停止するよう指示した YTN newsより
<今年前半にも韓国に配備が予定されるTHAADをめぐり、安全保障上の脅威として強硬に反対している中国が報復措置を取った。中国国家観光局が主要都市の旅行代理店に対し韓国行き旅行商品の販売停止を指示。今年国交25周年を迎える両国の関係は一気に悪化しそうだ>
韓国と在韓米軍が、北朝鮮のミサイル攻撃に対抗する高高度ミサイル防衛システム(THAAD)の配備を進めていることに反発して、中国政府が新たな妨害措置に出た。中国政府は国内の旅行代理店に対して、韓国行きのパック旅行の販売を停止するよう指示した。聯合ニュースなどが報じている。
中国の旅行業界の関係者によると、中国の政府機関・中国国家観光局は2日、北京で旅行代理店を招集し、韓国行きのすべてのパック旅行の販売をオンラインとオフラインともに停止するよう口頭で指示。さらに現地の旅行業界関係者によれば、3日には上海市、江蘇省、山東省、陝西省の観光局が主要な旅行代理店の関係者を集めて15日から韓国観光の商品を販売中止するよう口答で指示したという。
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これによって、韓国を訪問したいすべての中国人向けのパックツアーや自由旅行は、旅行代理店経由では購入できなくなる。その一方で国家観光局は、すでに販売されている今月中旬までのツアーは実施するように命じたという。今回の措置は、中国全土のほかの省や直轄市でも旅行代理店に適用されるとみられている。この停止措置が韓国の観光業界に与える影響は甚大だ。
韓国観光公社によると、昨年韓国を訪れた外国人観光客1720万人のうち、その約半数にあたる806万人が中国人観光客だという。中国人観光客の約4割がパックツアーで韓国を訪れており、個人が自由旅行で訪れる際も代理店経由で手配する割合が高いことから、今回の代理店での韓国行き商品販売停止によって、中国人観光客は400万人減ることが予想されるという。また旅行客の韓国国内での消費も概ね半減し、年間で約10億ドルの損失が見込まれるという。