最新記事

韓国

朴槿恵大統領、韓国憲法裁が罷免を決定 疑惑発覚から半年で

2017年3月10日(金)19時50分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

写真は昨年10月記者会見で謝罪する朴槿恵大統領。提供写真(2016年 ロイター/聯合ニュース)

<韓国の憲法裁判所は10日午前、朴槿恵(以下、パク・クネ)大統領に対する弾劾審判の結果として罷免を言い渡した。この瞬間パク・クネは大統領の座を失った。60日以内に大統領選挙が行われる>

韓国憲法裁判所は、10日11時から開廷したパク・クネ大統領に対する弾劾審判の宣告で、「友人の崔順実(以下、チェ・スンシル)の国政介入を可能にした職権の濫用」を理由に裁判官8人全員一致で大統領の罷免を決定した。韓国の憲政史上、弾劾審判は2004年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領に続き2度目だが、ノ大統領の際は否決されており、現職大統領が罷免されるのは史上初である。KBSニュースなど韓国メディアが報じた。

マネートゥデイなど韓国メディアによれば、憲法裁はパク大統領の弾劾理由として、
・国民主権主義と法治主義違反
・大統領の職権乱用
・言論の自由の侵害
・生命権保護義務違反
・賄賂など刑事法違反
などの5つの要点にまとめて審理した。

【参考記事】親友の愛人らが指図!? 朴槿恵大統領は「操り人形」だったのか

そのうえで憲法裁は、パク大統領が国民主権主義と法治主義、刑事法を違反したと判断した。 パク大統領がチェ・スンシルに国政に関する文書を渡し、ミール・Kスポーツ財団の設立や募金に関与し、チェ・スンシルの知人の会社に便宜を図ったという。 パク大統領がチェ・スンシルの蓄財行為に加担し、そのため法を犯した、というのが憲法裁の最終的な判断だ。

newsweek20170310130415.png

パク大統領の罷免を言い渡したイ・ジョンミ憲法裁判所所長代行 KBSの画面から


イ・ジョンミ憲法裁所長代行は「パク大統領のこのような違憲、違法行為は、代議民主制の原理と法治主義の精神を毀損した」「対国民談話で真相究明に協力するとしたが、パク大統領は検察と特別検察の取り調べに応じず、大統領府内の家宅捜索を拒否するなど、違法行為が繰り返され、憲法遵守の意志が現われない」と述べた。

さらに「大統領の違憲、違法行為は、国民の信任を裏切ったことと、憲法遵守の観点から容認できない重大な行為と見なければならない」」と罷免の判決を下した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ウォルツ補佐官を擁護 フーシ派攻撃の情

ビジネス

アップル、今年の世界開発者会議は6月9―13日に開

ビジネス

米国、輸出制限リストに70団体を追加 中国・イラン

ビジネス

米財政状況は悪化の一途で債務余裕度低下、ムーディー
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取締役会はマスクCEOを辞めさせろ」
  • 4
    「トランプが変えた世界」を30年前に描いていた...あ…
  • 5
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 6
    トランプ批判で入国拒否も?...米空港で広がる「スマ…
  • 7
    「悪循環」中国の飲食店に大倒産時代が到来...デフレ…
  • 8
    【クイズ】アメリカで「ネズミが大量発生している」…
  • 9
    老化を遅らせる食事法...細胞を大掃除する「断続的フ…
  • 10
    【クイズ】トランプ大統領の出身大学は?
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 5
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 10
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中