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日本社会外国人技能実習、昨年の不正行為383件 賃金不払いで失踪も
3月9日、法務省入国管理局は8日、2016年に外国人技能実習制度実施機関に、不正行為があったと通知した事例が、383件だったと発表した。件数は現行制度が施行された2010年以降で最多。写真は都内の建設現場で働くクルド人ら。都内で2015年10月撮影(2017年 ロイター/ Thomas Peter)
法務省入国管理局は8日、2016年に外国人技能実習制度実施機関に、不正行為があったと通知した事例が、383件だったと発表した。件数は現行制度が施行された2010年以降で最多。通知された受け入れ機関の数は239と、前年の273から減少した。
不正行為の内容は、賃金不払いや労働時間など労働関係法令違反が134件、不正行為を隠蔽(いんぺい)する目的で偽造文書を提出したなどが94件、申請内容と異なる機関で実習をさせたのが51件、など。
不正行為を通知された受け入れ機関の業種別では、農業・漁業67機関、繊維・衣服61機関、建設38機関、機械金属関係14機関、食品製造13機関だった。
外国人技能実習制度は、本来、途上国の人材育成を目的に、日本の企業や農家などで技術を習得してもらう制度だが、実際は、農業や建設現場の人手不足を背景に、安価な労働力確保の場として利用されるケースが多い。
実習生には職場を変わる選択肢が与えられていないため、長時間労働や賃金不払いを苦に実習生が失踪する事例が増え、国際人権団体も問題視している。
こうした状況を受け、昨年11月、受け入れ先の監督強化などを含む技能実習適正化法が国会で可決成立した。
(宮崎亜巳)