最新記事

日ロ関係

ロシア、日本のミサイル防衛に懸念 3年ぶりの防衛相会談で

2017年3月20日(月)14時12分

3月20日、日本とロシアは、都内で3年4カ月ぶりに防衛相会談を開き、ロシア側は日本に配備された弾道ミサイル防衛(BMD)システムに懸念を表明した。日本側は自衛のために必要と説明する一方、ロシアによる北方領土(南クリル諸島)の軍備増強に改めて抗議した。写真はロシアのショイグ国防相(左)と稲田防衛相、都内で20日撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

日本とロシアは20日、都内で3年4カ月ぶりに防衛相会談を開き、ロシア側は日本に配備された弾道ミサイル防衛(BMD)システムに懸念を表明した。日本側は自衛のために必要と説明する一方、ロシアによる北方領土(南クリル諸島)の軍備増強に改めて抗議した。

日本側の説明によると、ロシアのショイグ国防相は日本に配備されたBMDついて、アジア太平洋地域の戦力バランスを崩すと指摘。とりわけ在日米軍のシステムに懸念を示した。日本が導入を検討中の新型BMDに言及する場面もあったという。

これに対し稲田防衛相は、北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射などを挙げながら、自国を守るために必要な防御的なシステムだなどと説明した。

一方、稲田防衛相は、ロシアが北方領土に新型地対艦ミサイルを配備したり、師団を配備する計画であることを指摘。日本はすでに外交ルートで抗議しているが、改めて防衛相会談でも取り上げた。ショイグ国防相は、地域の安全保障を取り巻く環境が変化するなかで、必要な防衛措置だなどと説明したという。

日ロが防衛相会談を開くのは2013年11月以来。ロシアのクリミア併合を受けて中断しており、ショイグ国防相は会談の冒頭、「交流の中断は双方にとって利益にならなかっただろうと思っている」と語った。両防衛相は自衛隊とロシア軍の救難・捜索訓練を継続していくなど、防衛交流を拡充することで一致した。

(久保信博)

[東京 20日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

カナダ首相がフロリダ訪問、トランプ氏と会談へ

ビジネス

英中銀、貿易障壁の高まりによるリスク警告 借入コス

ビジネス

中国11月製造業PMI、2カ月連続で50上回る 景

ワールド

焦点:戦闘員数千人失ったヒズボラ、立て直しには膨大
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    BMI改善も可能? リンゴ酢の潜在力を示す研究結果
  • 2
    ウクライナ前線での試験運用にも成功、戦争を変える新型ドローン・システム
  • 3
    エスカレートする核トーク、米主要都市に落ちた場合の被害規模は想像を絶する
  • 4
    バルト海の海底ケーブルは海底に下ろした錨を引きず…
  • 5
    「時間制限食(TRE)」で脂肪はラクに落ちる...血糖…
  • 6
    バルト海の海底ケーブル切断は中国船の破壊工作か
  • 7
    定説「赤身肉は心臓に悪い」は「誤解」、本当の悪者…
  • 8
    ペットの犬がヒョウに襲われ...監視カメラが記録した…
  • 9
    「すぐ消える」という説明を信じて女性が入れた「最…
  • 10
    黒煙が夜空にとめどなく...ロシアのミサイル工場がウ…
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 4
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 5
    BMI改善も可能? リンゴ酢の潜在力を示す研究結果
  • 6
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 7
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式ト…
  • 8
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 9
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 10
    「時間制限食(TRE)」で脂肪はラクに落ちる...血糖…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中