最新記事

日韓関係

韓国外交部、釜山市らに慰安婦問題の「少女像」移転を求める

2017年2月23日(木)21時30分
ニューズウィークウェブ編集部

釜山の少女像は昨年12月30日、日本総領事館前に設置された stringer-REUTERS

<昨年末に韓国・釜山市の日本総領事館前に「少女像」が設置され、日本政府が長嶺韓国大使を召喚してから1カ月以上経つが、これまで動きを見せなかった韓国政府が動きを見せた。韓国外交部は23日、釜山市などに対して少女像を移転せよとの公文書を14日に送ったことを発表した>


昨年12月30日、韓国・釜山市東区にある日本総領事館前に、「未来の世代が立てる平和の少女像推進委員会」という釜山の市民団体が、慰安婦問題の象徴ともいえる少女像を設置した。日本政府はこれに対して連日遺憾の意を表明するなどして韓国側の対応を求め、1月6日には長嶺大使を召喚。だが、弾劾決議を受けて職務停止状態の朴槿惠(以下、パク・クネ)政権はなんらの対応を打ち出せない状態が続き、膠着状態が続いていた。

しかし、北朝鮮の核ミサイル発射実験や、中国の東シナ海における軍事力増強など、日本と外交協力が必要な課題が増えている韓国政府は、何からのアクションを起こさないわけにはいかなくなったようだ。23日、韓国メディアのファイナンシャルニュースがスクープする形で、韓国政府・外交部が釜山市などに対して、少女像の移転を求める公文書を送付したことが明らかになった。

news1など韓国メディアによると、上記スクープ報道を受け、23日の定例記者会見で外交部のジョ・ジュンヒョ報道官は、「外交公館の前にいくつかの造形物が設置されているのは、外交公館の保護に関連した国際儀礼と実践面で望ましくないという立場である」と表明。14日に釜山市、釜山市市議会、および少女像が設置されている釜山市東区に対して、政府見解を盛り込んだ公文書を送付したことを明らかにした。

聯合ニュースによれば、外交部は2月上旬に書記官など2名を釜山市、釜山市議会、釜山市東区区役所に派遣し、関係者の意見を聞いたという。少女像の移転を求める公文書はその1週間後に送られたものとみられる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB、一段の利下げ必要 ペースは緩やかに=シカゴ

ワールド

ゲーツ元議員、司法長官の指名辞退 売春疑惑で適性に

ワールド

ロシア、中距離弾でウクライナ攻撃 西側供与の長距離

ビジネス

FRBのQT継続に問題なし、準備預金残高なお「潤沢
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中