韓国外交部、釜山市らに慰安婦問題の「少女像」移転を求める
釜山の少女像は昨年12月30日、日本総領事館前に設置された stringer-REUTERS
<昨年末に韓国・釜山市の日本総領事館前に「少女像」が設置され、日本政府が長嶺韓国大使を召喚してから1カ月以上経つが、これまで動きを見せなかった韓国政府が動きを見せた。韓国外交部は23日、釜山市などに対して少女像を移転せよとの公文書を14日に送ったことを発表した>
昨年12月30日、韓国・釜山市東区にある日本総領事館前に、「未来の世代が立てる平和の少女像推進委員会」という釜山の市民団体が、慰安婦問題の象徴ともいえる少女像を設置した。日本政府はこれに対して連日遺憾の意を表明するなどして韓国側の対応を求め、1月6日には長嶺大使を召喚。だが、弾劾決議を受けて職務停止状態の朴槿惠(以下、パク・クネ)政権はなんらの対応を打ち出せない状態が続き、膠着状態が続いていた。
しかし、北朝鮮の核ミサイル発射実験や、中国の東シナ海における軍事力増強など、日本と外交協力が必要な課題が増えている韓国政府は、何からのアクションを起こさないわけにはいかなくなったようだ。23日、韓国メディアのファイナンシャルニュースがスクープする形で、韓国政府・外交部が釜山市などに対して、少女像の移転を求める公文書を送付したことが明らかになった。
news1など韓国メディアによると、上記スクープ報道を受け、23日の定例記者会見で外交部のジョ・ジュンヒョ報道官は、「外交公館の前にいくつかの造形物が設置されているのは、外交公館の保護に関連した国際儀礼と実践面で望ましくないという立場である」と表明。14日に釜山市、釜山市市議会、および少女像が設置されている釜山市東区に対して、政府見解を盛り込んだ公文書を送付したことを明らかにした。
聯合ニュースによれば、外交部は2月上旬に書記官など2名を釜山市、釜山市議会、釜山市東区区役所に派遣し、関係者の意見を聞いたという。少女像の移転を求める公文書はその1週間後に送られたものとみられる。