金正男の遺体は北朝鮮引き渡しへ 真相は迷宮入りとの見方も
金正男暗殺を伝えるニュースを見つめるソウルの市民 REUTERS
<マレーシアで起きた金正男暗殺事件は3人目の容疑者が逮捕されるなど、捜査が進みつつある。しかし北朝鮮以外の国籍の人物が容疑者としてあっさりと拘束されたことについて疑問の声も上がっている>
マレーシアのクアラルンプール空港で12日に発生した金正男暗殺事件は、16日に現地の警察が容疑者6人のうち3人を逮捕、捜査が進んでいるかに見える。しかし、当初予想された犯人像──高度に訓練された北朝鮮の工作員というとは異なり、ベトナム、インドネシアなどの第三国の国籍の人物が、短時間で捕まった。
韓国メディアのアジア経済によれば、実は捜査が真相究明できないまま迷宮入りするのではないかという懸念が出てきているという。
マレーシア警察当局は16日午前2時、金正男暗殺事件の容疑者としてインドネシアのパスポートを所持した女性1人を逮捕。さらに午後にはこの女性の交際相手とされるマレーシア人男性1人を逮捕した。警察は前日午前にクアラルンプール空港でベトナム国籍のパスポートを所持する29歳の女性1人も逮捕しており、これで正男暗殺事件関連で3人を逮捕したことになる。
マレーシア警察は、女性2人、男性4人の6人が今回の事件の容疑者とみて、残る3人の行方を追っている。またマレーシアの裁判所は2人の女性容疑者に対し7日間の拘留を命じた。
16日に逮捕された2人目の女性はインドネシアのセラン出身の「シティ・アイシャ」という名前のパスポートを所持していることが判明した。また、この日逮捕された男性が、今回の事件に関わったとされる4人組のうちの1人かどうかは確認されていない。
15日、最初に逮捕された女性はベトナム・ナムディン出身の29歳の「ドアン・ティ・フォン」と書かれたパスポートを所持していた。この女性は警察の取り調べに対し、「自分は女友達とマレーシア旅行に来て、同行の男性4人から『空港の乗客を相手にいたずらをしよう』と提案されてやった。相手が金正男だとは知らなかった」と供述したという。