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【写真特集】トランプ以前も歴代大統領の就任式はトラブル続き

2017年1月19日(木)16時45分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

Carlos Barria-REUTERS

<オバマは宣誓文を言い間違い、ケネディの就任式では火災が発生――アメリカ歴代大統領の就任式は、巨大イベントだけに想定通りに行かないことも少なくない>(写真:ワシントンではトランプ新大統領の就任式典に向けて準備が進む)

 今週20日にドナルド・トランプ新大統領が就任するワシントンでは、就任式前後に全米各地から反対を唱える人々が集結して大規模なデモが実施される見通しとなっている。アメリカの歴史上でも大統領就任にこれ程の反発が起きた例は少ないが、1969年のリチャード・ニクソンの就任時には、ベトナム戦争からの撤退案に反対する人々がデモを繰り広げた。また、ジョージ・W・ブッシュも2005年の2期目就任時には、イラク戦争をめぐって反発が巻き起こった。

 歴代の大統領の就任式では想定外のトラブルが起きたことがあり、本誌でも過去の記事で取り上げている。

【参考記事】トランプ大統領就任式ボイコット続出、仕掛け人のジョン・ルイスって誰?

2009年 オバマ大統領

 2009年のバラク・オバマの宣誓式では、担当した最高裁判所長官のジョン・ロバーツが宣誓文を言い間違えた。「I will faithfully execute the Office of President of the United States(私は忠実に合衆国大統領の職務を遂行する)」と言うべきところ、「faithfully」を言い忘れて文末に付け加えた。このため宣誓文を復唱したオバマも同じように言い間違えてしまい、翌日21日にホワイトハウスで宣誓をやり直すことになった。

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宣誓にのぞむオバマ Newsweek Archives, Special Edition, 2009


1985年 レーガン大統領

 1985年に2期目に就任したロナルド・レーガンは、当時73歳。2期目の大統領としては最高齢となった。就任式典が開催された翌21日、ワシントンは記録的な寒さとなり、レーガンは早く家に帰りたかったようだ。後に周囲の人物に、こう語っている。「とにかく早く終わらせて、政治に集中させて欲しかったよ」

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聴衆に手を振るレーガン夫妻 Newsweek Archives, January 28, 1985


1977年 カーター大統領

 式典を「できるだけ民主的」に行うと約束していたジミー・カーター。政治家や著名人に加えて、アイオワ州の農家600世帯や100人を超えるダンサー、それに中西部のネイティブアメリカンのクロウ族などを招待していた。しかしカーター陣営のスタッフには招待状が届かなかったため、スタッフは怒ってしまった。

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カーターの就任式典の様子を描いたイラスト Newsweek Archives, January 24, 1977


1961年 ケネディ大統領

 43歳の若さで大統領となったジョン・F・ケネディの就任式を襲ったのは、想定外の珍事だった。式典の開始をカトリック枢機卿が宣言していたところ、演台の高さを調節するモーターがショートして火災が発生。シークレットサービスが水をかけて火を消し止めた。しかしケネディはいたって冷静で、穏やかに微笑んでいた。

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就任後のイベントに向かうケネディ夫妻 Newsweek Archives, January 30, 1961


1953年 アイゼンハワー大統領

 テキサス州出身のドワイト・アイゼンハワーは、就任パレードの最中にカウボーイの投げ縄で捕まえられるパフォーマンスを披露。このパレードには、2万人の政府職員の他、65の楽隊、50の山車、象3頭や馬350頭、それに核砲弾を装填できる25メートルの新型カノン砲まで参加した。

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投げ縄をかけられるアイゼンハワー Newsweek Archives, January 26, 1953

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