トランプの「嘘」まとめ(就任式、対日要求ほか)
Bobby Yip-REUTERS
<嘘をつき続けるトランプと政権スタッフ。大統領就任からまだ1週間も経っていないが、主要なものだけでもすでにいくつもの嘘があり、メディアとの戦いが繰り広げられている> (写真:香港で3月に発売される予定のトランプ人形)
ドナルド・トランプは嘘をつく。嘘ではなく本当の話だ。
昨年9月半ば、カナダのトロント・スター紙のワシントン支局長ダニエル・デールは、選挙戦でのトランプの発言「すべて」のファクトチェックを開始した(ツイッターでの発言を含む)。投票日直前の10月30日までに、同紙が「嘘」と認定した発言は560個に上る。
同紙は、ヒラリー・クリントンへの攻撃材料としての嘘から、ささいな「何それ!?」という嘘まで20のカテゴリーに分類し、サイトで公開している。ちなみに、「何それ!?」な嘘とは、例えば「(フランク・シナトラは)最初に『マイ・ウェイ』を歌った時はその曲を好きになれなかったが、何回か歌い、大ヒットすると急に好きになった」といった発言だ(シナトラの娘によれば、実際はずっと好きではなかったという)。
11月4日の選挙に勝利し、1月20日、第45代アメリカ大統領に就任したトランプ。しかし大統領になっても、トランプと政権スタッフによる「嘘」が続いていることは、さまざまなメディアで報じられているとおり。大統領就任からまだ1週間も経っていないが、ここで整理しておきたい。
(1)就任式の参加者数は過去最大だ!
就任式翌日の21日、ショーン・スパイサー大統領報道官は初めて開催したホワイトハウスでの記者会見でメディアへの敵対姿勢をむき出しにした。そして、就任式の参加者は推定25万人で、8年前のバラク・オバマ就任時の推定180万人と比べてかなり少なかったと報じられたことに対しても、激しい調子でこう発言したのだ。
「就任式の観客数は過去最大だった。文句なしに。現場でも、世界中でもだ」
「就任への熱意を弱めようとするのは恥ずべき行為で、間違っている」
同日の約2時間前、米中央情報局(CIA)本部を訪れていたトランプ自身も、観客数を少なく報じたとしてメディアを非難。「私が演説をした。この目で見た。私には100万人か、150万人くらいに見えた」と発言している。
しかし、多くのメディアが報じ、また会見場やその後の報道でも反論したように、これは事実に反する。何より写真(上)がその差を物語っているが、ニューヨーク・タイムズ紙によれば、例えばワシントンの地下鉄乗降客者数ひとつ取っても、その日は57万人で、オバマ2期目就任時の約78万人より少なかったという(これについてもスパイサー報道官は「多かった」と発言していたが)。
なお、この21日には全米の主要都市で、女性を中心とした反トランプ・デモが行われ、首都ワシントンだけで20万人以上が集まった(約50万人との報道もある)。
【参考記事】テレビに映らなかったトランプ大統領就任式