最新記事

米中関係

中国、独占行為で米自動車メーカー処罰へ 反トランプの見方は否定

2016年12月14日(水)18時05分

中国国営英字紙チャイナ・デーリーは、米自動車メーカーに市場独占的行為があったとして、中国当局が近く罰則を科す方針だと報じた。写真は上海の「マスタング」発表会場で2013年12月撮影(2015年 ロイター/Aly Song)

 中国当局は、米自動車メーカー1社に市場独占的行為があったとして、近く罰則を科す方針。国営英字紙チャイナ・デーリーが14日、国家発展改革委員会(NDRC)の高官の話として報じた。企業名は明らかにされていない。

 NDRCの価格監督検査・反独占局の張漢東局長は同紙とのインタビューで、この自動車メーカーが2014年以降、販売店に価格の固定を指示していたことが調査で判明したと語った。

 米中関係は、台湾をめぐってトランプ次期米大統領が「一つの中国」政策を必ずしも堅持する必要はないとの見解を示したことで、現在不安定な状況にある。

 ただ、張局長は同紙に対し、罰則の時期や対象に関して「間違った解釈」をすべきではないと述べた。

 政府系業界団体の関係筋も「NDRCがわずか1、2週間前に(罰則を科す)決定を下したとは思わない。これは長期の計画だ」とし、今回の措置はトランプ氏の発言に向けられたものではなく、自動車業界の価格操作を引き続き取り締まる姿勢を示すものだと述べた。

 NDRCが自動車メーカーに罰則を科すのは今月に入り2件目で、2011年の反独占調査開始以降では7件目となる。

 フォード・モーターのアジア太平洋広報担当者は「この問題について把握していない」と述べた。

 ゼネラル・モーターズ(GM)は声明で「GMはいずれの地域でも現地の法律や規制を全面的に尊重している」とした上で、「メディアの憶測にはコメントしない」と述べた。

[ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国最大のMMF、利回りが過去最低付近 経済不振や

ビジネス

24年度財投計画、ウクライナ支援などで1兆1222

ワールド

原油先物まちまち、中東情勢やOPECプラス会合に注

ビジネス

ユーロ圏ESM、国防費増額に活用も トップが検討に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「時間制限食(TRE)」で脂肪はラクに落ちる...血糖値改善の可能性も【最新研究】
  • 2
    エスカレートする核トーク、米主要都市に落ちた場合の被害規模は想像を絶する
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式ト…
  • 5
    BMI改善も可能? リンゴ酢の潜在力を示す研究結果
  • 6
    ペットの犬がヒョウに襲われ...監視カメラが記録した…
  • 7
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 8
    バルト海の海底ケーブル切断は中国船の破壊工作か
  • 9
    トランプを勝たせたアメリカは馬鹿でも人種差別主義…
  • 10
    日本を標的にする「サイバー攻撃者」ランキング 2位…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 6
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式ト…
  • 9
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 10
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中