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中国人民日報傘下紙、シンガポール軍の「偽善」が両国関係を悪化と警告
11月28日、中国の環球時報(英語版)は、台湾との軍事関係をめぐるシンガポールの「偽善」により、中国とシンガポールの関係が損なわれる可能性があると警告した。写真は香港で差し押さえられたシンガポール軍の部隊輸送船。24日撮影(2016年 ロイター/Bobby Yip)
中国共産党機関紙・人民日報傘下の有力国際情報紙、環球時報(英語版)は28日付の論説記事で、台湾との軍事関係をめぐるシンガポールの「偽善」により、中国とシンガポールの両国関係が損なわれる可能性があると警告した。
シンガポール軍の9つの部隊輸送船が先週、台湾から戻る途中に香港で差し押さえられたことを受け、台湾との軍事関係維持をめぐり中国外務省の非難を招いた。
「いかなる形であれ、シンガポールが台湾との軍事交流を続けることは、もはや合理的ではない」と、同紙の論説記事は述べた。
シンガポールと台湾は、1970年代から軍事協力の関係にあり、シンガポールの歩兵の訓練場所として台湾を使用することも含まれる。
中国は、1990年代にシンガポールと国交を回復して以降も、この合意をしぶしぶ容認してきた。
部隊輸送船の事件は、シンガポールが「一つの中国」の原則に反する動きをしているという「疑いを招く」と、同紙は指摘した。
論説記事は、環境時報の英語版にのみ掲載。シンガポール軍の「偽善」を示すとして、米国との関係や南シナ海問題におけるスタンスなどを挙げ、「シンガポールに対する中国の世論が変われば、両国関係に重大な一撃となるだろう」と締めくくった。
環境時報は、政府の公式見解よりタカ派的で、強硬な論説記事で知られる。