「頭のいい」指導部のせいで、米民主党はすべてを失った
Brian Snyder-REUTERS
<民主党指導部にとってはインサイダーのクリントンをもり立てたために、勝てるはずの戦いで手痛い敗北を喫した>(写真:大統領選から一夜明けて敗北宣言をしたクリントン)
大統領のポストを失い、上下院の多数議席を獲得できず、今や米民主党は連邦レベルではほぼ無力に等しい。11月9日未明の衝撃を、私たちは生涯にわたって繰り返し思い出すだろう。それは未来の世代にも語り継がれるような衝撃だった。
あまりの展開に今は何が起きたか1%も理解できていない。それでも、現時点ではっきり言えることがある。自ら物笑いの種になった民主党指導部はもうおしまいだということだ。
議員やコンサルタントや選挙参謀や中道左派のメディアが主張してきたこと――あの衝撃の結末を迎えるまでに、ここ数年言われてきたことはすべて、ただのたわ言だった。
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民主党指導部は予備選でひそかにヒラリー・クリントンに肩入れするという嘆かわしいミスを犯した。クリントンはまずい候補者だ。相手陣営にやじを飛ばすだけで有権者の心をつかむメッセージを打ち出せない。今のアメリカを覆う政治的なムードにも、民主党内で盛り上がった若い熱気にもそぐわなかった。しかもメール問題やクリントン財団の資金に絡む疑惑など厄介なお荷物が付いて回った。
「頭のいい」民主党指導部には、そんなことは分かっていたはずだ。それでも彼らはクリントンをもり立てた。民主党指導部は閉鎖的な社交クラブでアウトサイダーを歓迎しない。自分たちに敬意を払わず、勝手に動くからだ。
メディアの分析も的外れ
民主党支持の有権者は指導部の言うことを信じた。状況を完全に把握していると豪語し、違う意見を無視する指導部を。
指導部はこう言っていた。クリントンは政界で長年のキャリアがあるし、共和党は新しい攻撃材料を見いだせないだろうから、本選ではクリントンが有利だ――今にして思えば、笑ってしまうような言い草だ。