小売業界「弱肉強食」 スーパー、百貨店跡に居抜きでドンキ、ニトリ進出
11月4日、個人消費が盛り上がりを欠く中、販売最前線での「新旧交代」が鮮明になってきた。写真はドンキホーテ。都内で2014年5月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)
個人消費が盛り上がりを欠く中、販売最前線での「新旧交代」が鮮明になってきた。不振にあえぐ総合スーパー(GMS)や百貨店などが大量の閉店や売り場縮小を進める一方、それを「千載一隅のチャンス」として閉鎖店舗を引き継いで新規出店したり、売り場面積を拡大させる企業も目立つ。こうした企業は多様な場所に出店できる柔軟な店舗スタイルを持ち、移り変わりの早い消費者ニーズに対応できることが強みとなっている。
<広がる利用者の需要に対応>
10月に上野マルイに続き12月には新宿「タカシマヤタイムズスクエア」、17年春には東武百貨店池袋店──。これまで郊外の路面店での出店が中心だったニトリホールディングス <9843.T>が、都市部への出店を加速している。
上野マルイの8階フロア全体に広がるニトリの売り場。丸井グループ <8252.T>は若者向けファッションが売りというイメージが強いが、現在の利用者は20―60歳まで幅広く、30歳代以上が80%を占めているという。
「テナントを決める際には利用者の要望を聞く」(担当者)のが丸井の基本方針で、利用者ニーズは「ファッション偏重ではなく、(様々に)広がっている」という。それに合致したテナントとして、ニトリの進出が決まった。 ニトリの都心進出は、2015年4月のプランタン銀座への出店が皮切りとなった。 似鳥昭雄会長兼CEO(最高経営責任者)は「売れなくても良い、おしゃれな店を作ろうと思った」とその理由を明かす。実際には想定以上の集客があり「百貨店などいろいろな物件から出店の声が掛かった」という。