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環境問題EU、地球温暖化対策のパリ協定を一括批准で合意
9月30日、EU環境相会合は、地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」を批准することで合意した。昨年12月の協定採択後に会見するミゲル・アリアス・カニェテ欧州委員(気候行動・エネルギー担当)。(2016年 ロイター/Francois Lenoir)
欧州連合(EU)は30日の環境相会合で、地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」を批准することで合意した。当初想定していたEU加盟全28カ国による国内手続きを待たず、EUとして一括で批准する。正式な批准には10月4日の欧州議会の承認が必要となる。化石燃料に依存する経済を根本的に転換する歴史的な協定は発効に向けて大きく前進した。
パリ協定が発効するためには、批准国の温室効果ガスの排出量が世界の総排出量の55%以上に達する必要がある。世界最大の排出国である中国と米国は今月上旬に批准した。今のところ61カ国が批准を決め、世界の総排出量に占める割合は47.8%に上っている。約4%を占めるインドは10月2日に批准する見込みだ。
EUは世界の排出量の12%を占めており、今回のEUの合意によりこの条件は満たされることになる。世界の総排出量の55%以上を占める国々の批准という条件が満たされれてから30日後に協定は正式発効する。
英国のEU離脱(ブレグジット)をめぐる先行き不透明感が高まり、移民・難民問題で域内の意見が割れる中で、EU加盟の28カ国の環境相全てによる合意は、まれにみる政治的な成功といえる。
アリアスカニェテ欧州委員(気候変動・エネルギー担当)は、合意を「歴史的」と称賛し、EUが気候変動問題で主導権を失っているとの批判に対し「困難な時期にわれわれは総力をあげる」ことで応えたと述べた。