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貿易アメリカ、中国をWTO提訴 小麦やコメなどへの過剰補助金で
9月13日、米政府は、中国が小麦やトウモロコシ、コメの生産者に過剰な政府補助金を支給しているとして、世界貿易機関(WTO)に提訴した。ジュネーブのWTO本部で6月撮影(2016年 ロイター/REUTERS/Denis Balibouse)
米政府は13日、中国が小麦やトウモロコシ、コメの生産者に過剰な政府補助金を支給しているとして、世界貿易機関(WTO)に提訴した。米通商代表部(USTR)によると、中国はコメなど3品目に対しWTO基準を1000億ドル近く上回る補助金を支給。
生産拡大を狙った人為的な奨励策であり、世界的に価格を押し下げていると主張した。
フロマンUSTR代表は声明のなかで「こうした補助金は中国国内の価格を歪め、米農家の不利益となっているほか、WTO加盟時に中国が約束した条件に明らかに違反している」と批判。「われわれは、ルールに従わない貿易相手国を看過するつもりはない」との姿勢を示した。
米小麦生産者団体は、アイオワ大の調査として、中国の補助金の結果、米農家は昨年、約6億5300万ドルの収入を失ったとしている。
米中の通商関係をめぐっては、米国が中国の鉄鋼・アルミニウムの過剰生産能力を問題視する一方、中国政府は米国産のブロイラー鶏肉を対象に反ダンピング関税を導入するなど、対立は激しさを増している。