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シリア内戦シリア政府軍、反体制派の支配する北部アレッポ再包囲 トルコ軍は国境地帯でISIS排除
9月4日、ロシアによる空爆支援を受けるシリア政府軍は4日、反体制派が支配する北部アレッポを再び包囲した。写真は自由シリア軍が政府軍に向けてロケットを発射している模様。シリア・ハマーで撮影(2016年 ロイター/Ammar Abdullah)
ロシアによる空爆支援を受けるシリア政府軍は4日、反体制派が支配する北部アレッポを再び包囲した。アサド政権側は内戦開始前に最大都市だった同都市の完全奪還を目指し、攻勢を強めている。
アレッポをめぐっては、8月初めに反体制派が東部の政府包囲網を破り、軍事拠点を制圧していた。在英の民間団体「シリア人権監視団」とダマスカスの軍事筋も、政府軍がアレッポを包囲したとしている。
一方、トルコ政府などは、シリア反体制派が両国国境地帯から過激派組織「イスラム国(IS)」を撤退させたと明らかにした。トルコはシリア反体制派を支援している。
トルコは8月下旬から、ISのほか米国が支援するクルド人武装組織の排除を狙い、内戦開始以来初めてシリア領内に大規模な軍事侵攻を行っていた。この結果、ISは兵士や武器の主要な供給路を絶たれることになる。
アレッポと国境沿いでの2つの戦闘は、現状が続けば内戦の転換点となる可能性があり、米国とロシアが続ける停戦交渉を複雑化させる。米ロの協議は5日も続けられるが、オバマ米大統領は20カ国・地域(G20)首脳会議が行われている中国・杭州で、合意にはまだ溝があるとの見方を示した。