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ロシアプーチン大統領の与党下院選圧勝、2018年再選に盤石の体制
9月19日、ロシア下院選で、プーチン大統領率いる与党が圧勝した。提供写真(2016年 ロイター/Sputnik/Kremlin/Alexei Druzhinin via REUTERS)
[モスクワ 19日 ロイター] - ロシアで18日行われた下院選挙(定数450)で、プーチン大統領率いる与党・統一ロシアの得票率が76%となり、2018年の大統領選挙で4期目の再選を目指すプーチン氏は権力基盤を一段と固めた。
中央選挙管理委員会によると、開票率93%の時点で統一ロシアは343議席を獲得。かろうじて過半数を上回った前回2011年の選挙(238議席)から躍進した。内訳は比例代表で140議席、小選挙区で203議席。これにより統一ロシアは単独で憲法を改正でき、プーチン大統領の再選に道が開ける可能性がある。
このほかの政党では共産党が42議席、ロシア自由民主党(LDPR)が41議席、公正ロシアが21議席を獲得したもよう。これらの3政党は統一ロシアと歩調を合わせ、同党に対する直接的な批判は避ける傾向がある。
一方、リベラル派の野党の獲得議席はなかった。選挙前に唯一議席を持っていたドミトリー・グドコフ氏は統一ロシアの候補に敗北。「1党支配下にある議会にどのように対応していくかが今後の課題となる」と述べた。
統一ロシアにとり今回の下院での獲得議席数は16年の党の歴史のなかで最大。ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は「(プーチン大統領に対する)圧倒的な信認が示された」としている。
ただ投票率は約48%と、前回の60%と比べて低迷。特に首都モスクワとロシア第2の都市であるサクトペテルブルクで政治に対し無関心な層が存在している可能性のほか、現政権に対する支持が後退している可能性が示された。
プーチン大統領は今回の勝利について、ウクライナ問題をめぐり欧米諸国が発動した対ロシア制裁措置によりロシア経済の減速が一段と顕著になるなかでも国の指導者に対する信認が示されたとし、「統一ロシアにとり非常に良い結果となった」と述べた。
現在63歳のプーチン氏は2018年の大統領選への出馬の意向は明らかにしていないが、同氏の陣営は今回プーチン大統領の結果を再選に向けた弾みとしたい考え。プーチン氏が次回大統領選で当選すれば任期は2024年までとなり、スターリンを除き在任期間が最も長いソ連・ロシアの指導者となる。
統一ロシアの圧勝に終わった今回の下院選について、欧州の選挙監視団は数多くの反則行為が見られたと指摘。ロイターの記者も複数回投票する有権者の姿などを目撃した。
ロシア当局者は大規模な不正行為はなかったとしている。前回2011年の下院選では選挙後に不正に対する抗議行動がモスクワで行われたことから、政府は神経を尖らせている。