ネバダの砂漠に出現するクレイジーな共同体
Jim Urquhart-REUTERS
<米ネバダ州の砂漠で毎年開催されるカウンターカルチャーの祭典「バーニングマン」は、かつてのアーティストの実験場からIT長者の集うイベントへと変容した>(参加者は多種多様なアート作品を展示し、仮装し、人形を燃やして騒ぎまくる)
ジョン・ロウは、「バーニングマン」について話したくないと言い張る。でも一度話し始めると、言いたいことはいくらでもあるようだ。
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バーニングマンとは、米ネバダ州の砂漠で毎年開催されるカウンターカルチャーの祭典。ロウは発起人の1人だが、96年に手を切った。まだチケットが35ドル、参加者8000人だった時代だ。
今では起業家のイーロン・マスクやグーグル創業者のセルゲイ・ブリン、フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグら億万長者が参加する大イベントに。マスクはかつてこう言った――HBOのドラマ『シリコンバレー』のクリエーター、マイク・ジャッジは、シリコンバレーのカルチャーを理解していない。なぜならバーニングマンに参加したことがないからだ。
このイベントでは約1週間にわたり、砂漠に期間限定の街を造って自給自足の共同生活を営む。巨大人形に火を放って燃やすことからバーニングマンの名称が付いた。参加者は奇抜な仮装やパフォーマンスを繰り広げる、クレイジーなお祭り騒ぎだ。
今年の開催は8月末~9月初め。7万人前後の参加者を見込み、チケットは190~1200ドルと予想される。広報のメーガン・ミラーによれば大量のチケットが無料配布されるが、大多数の参加者は390ドルを支払う。20年前の10倍以上だ。