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2016米大統領選またも反旗の声、アジア通の共和党政権OBがクリントン支持表明
8月15日、かつて米共和党政権の高官を務めたアジアの専門家8人が、同党の大統領選候補トランプ氏ではなく、民主党候補のクリントン氏を支持すると公開書簡で表明した。写真はクリントン氏。ミシガン州で11日撮影(2016年 ロイター/Chris Keane)
かつて米共和党政権の高官を務めたアジアの専門家8人が15日、同党の大統領選候補トランプ氏ではなく、民主党候補のクリントン氏を支持すると公開書簡で表明した。
公開書簡には、ジョージ・W・ブッシュ政権で国家安全保障会議(NSC)アジア担当上級部長をつとめたマイケル・グリーン氏、ジェームズ・クラッド元国防次官補、米国際開発庁(USAID)高官だったパトリック・クローニン氏らが名を連ねている。
書簡は、中国をはじめ世界的に戦略面での競争が激化するなか、「今は、21世紀の多様な試練に対応するためのビジョンや展望を持たない、不安定で準備不足の素人を絶対選ぶべきではない」と主張。
共和党候補のトランプ氏がアジアに提示するのは「混乱を招くか、非常識な解決策のみ」であり、それは「米国の信用、経済、リーダーシップを瞬く間に壊す」ものだと指摘した。
その上でトランプ氏が、自身が打ち出した荒唐無稽な案を実行する機会を得るようなことになれば、アジア諸国は、米国に対抗する国、特に中国のような国にシフトせざるを得ず、防衛のために核武装に走る国も出てくる可能性があると警告した。
書簡は「要するに、トランプブランドが(中略)米国のブランドとなった場合に予想されるのは、アジアにおける破滅的な疎外化、中国など対抗勢力が決めたルールの不本意な順守だ」としている。