天皇陛下の「生前退位」に興味津々の英国──最も高齢の王位継承者チャールズ皇太子に道は開けるか?
昨年12月23日、82歳の天皇誕生日に Thomas Peter-REUTERS
日本で天皇陛下の「生前退位」の可能性が報じられた13日、英メディアも速やかにこれを追った。
一定の長さの記事を出した英BBCとフィナンシャル・タイムズ(FT)紙(両方とも13日付)の報道を見てみよう。
BBC(「日本のアキヒト天皇が『退位を望む』」)は陛下が「皇室を第2次世界大戦中の攻撃的な国粋主義と切り離したことで高い評価を受けてきた」と記す。1989年、「日本では現人神と見なされてきた昭和天皇を引き継いだ」。昭和天皇の現人神の地位は「日本の戦後憲法を起草した、戦争に勝利した米国人によって奪われた」。
近代日本に例のない出来事
この後、天皇陛下が2003年に前立腺ガンの手術を、4年前には心臓の冠動脈バイパス手術を受けていることを説明。2011年の東日本大震災では異例のテレビ演説を行ったことを補足している。
最後に、天皇陛下についての5つの事柄を挙げている。
「陛下はより現代的なスタイルを採用し、皇室を国民により親しみやすいものにする努力をしている」。
「1959年に平民とご成婚。二人の愛の物語は国民の心をとらえ、『テニスコートのロマンス』と言われている。二人がネット越しに出会ったからだ。陛下と美智子様の間には3人の子供がいる」。
「陛下は第2次大戦の傷をいやすために努力しており、昨年、このように述べている。『ここに過去を顧み、先の大戦に対する深い反省とともに、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願い、全国民とともに、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心からなる追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります』」。
「2002年に韓国と共同開催したサッカー・ワールドカップでは、朝鮮半島系の祖先がいることを認めた。朝鮮半島を植民地化したという苦い歴史を持つ日本の多くの人を驚かせた」。
「陛下の趣味は海洋生物学で、ハゼの研究が専門だ」。
FTの記事(「日本の公共放送がアキヒト天皇が退位を準備」)では、「近代日本では前例がない出来事」は「2-3年後に実現するかもしれない」と報じた。そうなれば「200年で初めてになる」(前回、天皇陛下が生前退位した例として、FTは江戸時代の光格天皇を挙げている)。