アメリカ抗議デモ排除の警官隊に向き合う黒人女性、静かな抗議に大反響
7月11日、暴徒鎮圧用の黒い防護パッドとヘルメットで重武装した警官2人が道路から排除しようと駆け寄るなか、風に揺れる長いドレスを着た黒人女性が路上に静かに立ち、無言の抗議を行っている。写真は警察官の前に立ちふさがるイエシア・エバンスさん(35)。米ルイジアナ州バトンルージュで9日撮影(2016年 ロイター/Jonathan Bachman)
暴徒鎮圧用の黒い防護パッドとヘルメットで重武装した警官2人が道路から排除しようと駆け寄るなか、風に揺れる長いドレスを着た黒人女性が路上に静かに立ち、無言の抗議を行っている。
この様子を収めた写真は、米ルイジアナ州のバトンルージュで9日撮影された。この週末、バトンルージュでは約180人が警察によって拘束された。多くが白人警官による黒人射殺に抗議するデモに参加しており、幹線道路で交通妨害をしたとして軽犯罪法に問われている。
ロイターの契約カメラマン、ジョナサン・バックマンが撮影した、この黒人女性、イエシア・エバンスさん(35)の写真は、黒人射殺事件を、警察の少数派に対する不当な扱いと非難し、過去1週間に全米で起こった抗議デモに参加した人々の気持ちを一部織り込むものだ。
「この象徴的な写真は、#BatonRougeや類似する(ハッシュタグ)上で、生涯目にすることになるだろう」。デビッド・ローと名乗る男性は11日、ツイッターにこう投稿した。
ソーシャルメディア上で世界各地からのコメントを集めたこの写真について、アトランティック誌は「バトンルージュからの忘れがたい1枚の写真」と表現。ワシントン・ポスト紙は「米国にとっての重大な瞬間をとらえた」と説明し、英デイリー・メール紙も「象徴的な逮捕写真」と述べている。
ネット上の記録や彼女のものとみられるフェイスブックページによると、エバンスさんは、ペンシルバニア州に住む准看護師だ。
「これは神の業」とエバンスさんは逮捕後、フェイスブックに書き込んでいる。「私は船だ。いと高きところには神に栄光あれ。自分が無事生きていることを嬉しく思う」