米大統領選、副大統領選びのから騒ぎ
ウォーレン(左)とクリントン Aaron Josefczyk-REUTERS
米国の大統領選挙で、民主党のヒラリー・クリントン、共和党のドナルド・トランプによる副大統領候補選びが佳境に入ってきた。報道は過熱気味だが、大統領選挙の行方を考えるうえでは、副大統領候補が勝利の立役者となるような展開は想定し難い。
これからが佳境の副大統領選び
「(副大統領を)やるのか?」
7月初めに行われた会合で、演壇に立ったジョー・バイデン副大統領は、最前列に座っていたある政治家に、こう問いかけた。
問われた相手は、共和党のニュート・ギングリッチ元下院議長。1994年の下院選挙で、共和党の歴史的な勝利を率いたギングリッチは、トランプが検討している副大統領候補の一人とみなされている人物だ。
米国の大統領選挙では、副大統領候補選びが佳境に入っている。各党の副大統領候補は、各党の全国党大会までに発表されるのが通例。全国党大会は、共和党が7月18日からオハイオ州クリーブランドで、民主党が7月25日からペンシルバニア州ピッツバーグで開催する予定となっており、副大統領候補の発表まで、まさに秒読みの段階である。
動きは慌ただしい。民主党では、クリントンが有力候補と目されるエリザベス・ウォーレン上院議員と遊説を行い、「副大統領候補となった場合の予行演習」と話題になった。共和党では、有力候補とみなされていたボブ・コーカー上院議員とジョニ・アーンスト上院議員が、7月6日に相次いで候補を辞退する発言を行ったと報じられている。
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候補は絞られてきているようだ。民主党では、ウォーレンに加え、ティム・ケイン上院議員や、フリアン・カストロ住宅都市開発長官の名前が挙がる。共和党では、ギングリッチのほかに、インディアナ州のマイク・ペンス州知事、ニュージャージー州のクリス・クリスティー州知事らが有力視される。当のトランプは、7月6日に「軍出身者を含め、10人程度の候補から検討している」と述べている。
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勝利の原動力となった副大統領候補は珍しい
もっとも、大統領選挙の行方を考えるうえでは、副大統領候補が勝利の原動力となる展開は想定し難い。副大統領候補を選ぶ際には、大統領候補に欠けている部分を補うバランスが大事だと言われるが、歴史を振り返れば、そうした考慮が功を奏した実例は稀である。