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フィリピンドゥテルテ、大統領就任式からメディアを締め出し=公約どおり
Lean Daval Jr-REUTERS
<「自分もレイプしたかった」「記者は死んで当然」などの暴言で知られる「フィリピンのトランプ」、ロドリゴ・ドゥテルテが明日、フィリピンの大統領に就任する。だがメディアの直接取材は禁止じられた。民主化後のフィリピンでは初めてのことだ>
レイプ被害者に言及し「自分もレイプしたかった」──神をも恐れぬこんな暴言で「フィリピンのドナルド・トランプ」と呼ばれたダバオ市長のロドリゴ・ドゥテルテが明日、フィリピンの大統領に就任する。だが、報道陣は就任式の会場を取材できないという。
民主化後のフィリピン大統領で、報道をここまで締め付けるのは初めてのことだ。
ドゥテルテは、選挙期間中にも全国を周りながらジャーナリストを侮辱しまくった。報道陣のボイコットは、公約の一つでもあった。そして今回、ドゥテルテの報道官が、大統領就任式は国営メディアが独占的に取材するので、その他すべてのメディアは取材を禁じると発表した。
犯罪都市と言われた南部ミンダナオ島のダバオ市の治安を劇的に回復した実績を売り物にするドゥテルテは、かねてから報道陣嫌い。記者会見で質問中の女性リポーターをやじり倒し、その模様がテレビ中継で全国に流れたり、ある殺害された記者について「暗殺されて当然」と言ったこともある。
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会場も屋外から密室へ
伝統的にマニラの歴史ある公園で開放的に行ってきた就任式は、大統領宮殿の大広間に場所を移して行われる。入れるのは選ばれた招待客と国営メディアだけ。その他メディアはごく一部が庭にカメラなどの機材設置を認められたが、ほかは宮殿内の別室に押し込められ、ストリーミングで式を観ることになる。
招待されないのは報道機関だけではない。なんと、ドゥテルテの副大統領に就任するレニ・ロブレドも呼ばれない見通しだ。女性の権利や貧困問題を気遣うロブレドは、ドゥテルテの武闘派イメージに合わないせいか、これまでもなかなかアポが取れていない。
メディアについても、恫喝を繰り返しながら自分に好意的なジャーナリストの選別を行っているのかもしれない。