最新記事

自動車

韓国が日産を刑事告発、排ガス不正で日産の反論受け入れず

2016年6月7日(火)18時34分

6月7日、韓国環境省は、日産自動車のディーゼル車「キャッシュカイ」(=写真)が排ガス規制を不正に逃れていると指摘していた問題で、輸入販売した現地法人の韓国日産と同社社長を大気環境保全法違反容疑でソウル中央地検に刑事告発した。写真はソウルで5月撮影(2016年 ロイター/Kim Hong-Ji)

 韓国環境省は7日、同省が日産自動車<7201.T>のディーゼル車「キャッシュカイ」が排ガス規制を不正に逃れていると指摘していた問題で、輸入販売した現地法人の韓国日産と同社社長を大気環境保全法違反容疑でソウル中央地検に刑事告発した。日産は法令や規制を順守し、いかなる不正行為もないと反論していたが、退けられた。

 共同通信によると、同省は刑事告発とともに、韓国で販売された「キャッシュカイ」824台のリコール(回収・無償修理)と、在庫車両の販売禁止、課徴金3億4000万ウォン(約3000万円)の支払いを命じた。

 日産は不正はないとしたうえで、韓国での「キャッシュカイ」の販売について一時中止を決めた。同社は現在、同省の結論について「確認中であり、今後の対応を検討する」としている。

 同省は独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題を受けて、韓国内のディーゼル車20車種の検査を実施。日産のスポーツ用多目的車(SUV)「キャッシュカイ」では、通常走行の状態で窒素酸化物(NOx)の低減装置がある一定の温度で作動しないように設定されていたなどと説明していた。これに対し、日産はエンジンを加熱から保護するための措置と反論していた。

 日産は「あらゆる法令や規則を順守し、いかなる『不正かつ意図的な設定』や違法な任意操作デバイスも車両に搭載していないという立場を一貫して主張してきた」と反論。問題の車両についても「実走行環境でNOxを削減する技術的な改良を行う用意がある」と同省に伝えているという。

 (白木真紀)

[ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:サウジに「人権問題隠し」批判、eスポーツ

ワールド

バルニエ仏新首相、移民政策に強硬姿勢 大統領の主要

ワールド

英首相、13日に訪米 バイデン大統領と会談=ホワイ

ワールド

トランプ氏量刑言い渡し、大統領選後に延期 不倫口止
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本政治が変わる日
特集:日本政治が変わる日
2024年9月10日号(9/ 3発売)

派閥が「溶解」し、候補者乱立の自民党総裁選。日本政治は大きな転換点を迎えている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組10名様プレゼント
  • 2
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン」がロシア陣地を襲う衝撃シーン
  • 3
    「私ならその車を売る」「燃やすなら今」修理から戻ってきた車の中に「複数の白い塊」...悪夢の光景にネット戦慄
  • 4
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 5
    川底から発見された「エイリアンの頭」の謎...ネット…
  • 6
    世界に400頭だけ...希少なウォンバット、なかでも珍…
  • 7
    「自由に生きたかった」アルミ缶を売り、生計を立て…
  • 8
    「冗長で曖昧、意味不明」カマラ・ハリスの初のイン…
  • 9
    【クイズ】最新の世界大学ランキングで、アジアから…
  • 10
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元…
  • 1
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 2
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン」がロシア陣地を襲う衝撃シーン
  • 3
    中国の製造業に「衰退の兆し」日本が辿った道との3つの共通点
  • 4
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 5
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 6
    大谷翔平と愛犬デコピンのバッテリーに球場は大歓声…
  • 7
    死亡リスクが低下する食事「ペスカタリアン」とは?.…
  • 8
    無数のハムスターが飛行機内で「大脱走」...ハムパニ…
  • 9
    再結成オアシスのリアムが反論!「その態度最悪」「…
  • 10
    エルサレムで発見された2700年前の「守護精霊印章」.…
  • 1
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 2
    寿命が延びる「簡単な秘訣」を研究者が明かす【最新研究】
  • 3
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 4
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 5
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 6
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 7
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 8
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 9
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
  • 10
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中