最新記事

イラク

ISIS、市民を「人間の盾」へ、イラク軍のファルージャ進攻に対抗

各国の支援を受けたイラク軍過去最大規模の作戦に卑劣な手段をとるISIS

2016年6月1日(水)18時59分

5月31日、イラク軍が「イスラム国」(IS)に支配されている中部ファルージャの奪還作戦を進める中、市内に取り残された一般市民らがISに「人間の盾」とされるなど、危機的状況にさらされていると国連などが訴えている。写真はイラク治安部隊とシーア派兵士。ファルージャで撮影(2016年 ロイター/Thaier Al-Sudani)

 イラク軍が過激派組織「イスラム国」(IS)に支配されている中部ファルージャの奪還作戦を進める中、市内に取り残された一般市民らがISに「人間の盾」とされるなど、危機的状況にさらされていると国連などが訴えている。

 国連と共にシリア難民を支援をする「ノルウェー難民評議会」のヤン・エグランド事務局長は、「ファルージャで破滅的な状況が拡大している」と指摘。戦闘地域に取り残された家族が多数いるとし、死者が増える前に市民を安全に脱出させるよう双方の勢力に呼び掛けた。

 また国連は、ISが数百人の一般市民を人間の盾としてファルージャ中心部に配置しているという複数の報告があると明かした。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の広報担当者は、ISが市民らの脱出を阻止していると述べた。

 ISが2014年以降支配しているファルージャの奪還を目指す今回の作戦は、米国やイランなど各国の支援を受けた過去最大規模の作戦とされ、イラク政府が22日に開始を発表していた。

[キャンプ・タリク(イラク) 31日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

中国国営メディア、米中の関税戦争を警告 トランプ氏

ワールド

カナダ中銀総裁、トランプ関税は「両国経済に影響」 

ワールド

中国、台湾周辺で近く軍事演習実施の公算 総統外遊で

ビジネス

中国恒大の投資家、当局に最新情報求め慎重に協調行動
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式トレーニング「ラッキング」とは何か?
  • 4
    放置竹林から建材へ──竹が拓く新しい建築の可能性...…
  • 5
    「健康食材」サーモンがさほど健康的ではない可能性.…
  • 6
    こんなアナーキーな都市は中国にしかないと断言でき…
  • 7
    早送りしても手がピクリとも動かない!? ── 新型ミサ…
  • 8
    トランプ関税より怖い中国の過剰生産問題
  • 9
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 10
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 6
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 7
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 8
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中