「アベノミクスは消失」経済界の7割が厳しい批判、参院選は「現状維持を望む」
いつまで待てば成果は出るのか? 6月22日、6月のロイター企業調査によると、アベノミクスについて「後退」ないし「消失している」との見方が合わせて7割を占めた。都内で21日撮影(2016年 ロイター/Thomas Peter)
6月のロイター企業調査によると、アベノミクスについて「後退」ないし「消失している」との見方が合わせて7割を占めた。一方、7月の参院選挙では議席の「現状維持」が望ましいとの回答が4割と多数を占めた。
安倍晋三首相の政権運営に懸念の声はあるものの、野党は実力不足との見方が強い。消費増税延期を支持すると回答した企業は6割を占めた。ただ社会保障への不安が解消されず、消費刺激効果は限定的とみられている。
この調査はロイター短観と同じ期間・対象企業で実施。資本金10億円以上の中堅・大企業400社を対象に6月6日─16日に実施。調査対象企業は400社で、うち回答社数は245社程度。
アベノミクスに厳しい評価、参院選は「現状維持」多数
参院選で自民党は「アベノミクスの継続」を訴える方針だが、「アベノミクスは後退している」との見方が59%、「消失している」との見方も11%に達するなど、回答企業の7割が現在のアベノミクスに厳しい評価を下している。3年半の間で成果は十分に出ていないとみられており、昨年10月の調査(後退66%、消失6%)とほぼ同様の結果となった。「株価や円安に頼っていた面が大きいため、これらが逆転すると厳しい」(機械)、「構造改革や成長戦略が進展していない」(多数)との見方が多い。
一方、参院選の結果として望ましいのは「現状維持」が最も多く41%を占めた。次いで「与党の議席増加」が34%。「野党には政策実現力がない」(機械)、「野党の議席増加で政策の停滞を招けば日本経済は即失速するだろう」(卸売)など、野党への信頼度の低さが表れている。