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移民握手は信仰より大事なスイスの文化
Francois Lenoir-REUTERS
<学校の教師と握手できない生徒は罰金5000ドル! 家族以外の女性に触れることを禁じたイスラム教の戒律に従おうとした兄弟にスイス政府がまさかの鉄拳> 写真はスイスのソマルーガ司法相
女性教師と握手をすることはムスリムの教義に反する―そう訴えた2人のシリア人男子中学生に対して、当初スイスの学校側は同情的だった。イスラム教は、男性が家族以外の女性に触れることを禁じている。一方のスイスでは、授業の最初と終わりに教師と生徒が握手し敬意を示す慣習が守られてきた。2人の兄弟の訴えに対し、学校側は例外措置として、男性教師とも握手をしないことを条件に一切の握手を免除した。
だが、スイス政府は握手の文化をかなり深刻に受けとめていたようだ。地元当局は25日、2人の男子生徒には女性教師と握手をする義務があり、拒否すれば5000ドルの罰金を課すことになると発表した。スイス北部の国際都市バーゼルに近いテルウィルの教育局は、最終的な判断を下した経緯について声明で、「生徒の個人的な信仰の自由を尊重するより、男女平等の原則を守り、移民のスイス社会への統合を促すほうを優先した」と説明した。
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問題が明らかになってから、シリア人の男子生徒の家族は、申請していたスイス国籍取得のための手続きが停止された。スイス当局は、イマーム(イスラム教の指導者)である兄弟の父親が2001年に行った亡命申請についても調査し始めている。
シモネッタ・ソマルーガ司法相は先月放送されたテレビ番組で「握手はスイスの文化」だと主張。
「信仰の自由という名の下、握手を拒否することは容認できない」と発言した。
人口約800万人のスイスには、約35万人のムスリムが暮らしている。今回の問題が発覚する以前にも、似たような問題があったかどうかは分かっていない。渦中の兄弟が今後どのように対応するかも不明だ。スイスの報道陣の取材に対し、兄弟はドイツ語で「自分たちの文化をハードディスクのように簡単に消去することはできない」と語った。