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中東イスラエルに史上最も右寄りの政権誕生
Nir Elias- REUTERS
<逆らうアラブ人は斬首刑、という発言で悪名高いリーベルマン前外相がネタニヤフの連立内閣入りに合意。パレスチナ人の抵抗はますます困難になる?> 写真はリーベルマン
イスラエル政府は昨日、ベンヤミン・ネタニヤフ首相がアビグドル・リーベルマン前外相を新政権に迎え入れることで合意したと発表した。リーベルマン率いる極右政党「わが家イスラエル」が、ネタニヤフが率いる右派政党リクードの連立政権に参加する。リーベルマンは国防相に就任する模様。
もともと連立に参加している極右政党「ユダヤの家」に「わが家イスラエル」が加わることで、イスラエル史上でも最も右派寄りの内閣が誕生した。
モルドバ出身のリーベルマンは、イスラエルで最も問題発言の多い政治家として知られる。アラブ系住民がイスラエル人を襲撃したのを受けて昨年3月、イスラエル国家に忠誠を誓わないアラブ系イスラエル人は斬首刑にすべきだと発言し波紋を呼んだ。イスラエル人を攻撃するパレスチナ人に対する死刑の適用を可能とする法案の実現も目指している。
【参考記事】「アラブ系住民を斬首刑に」イスラエル外相の暴言
おかげでネタニヤフ政権は、国会定数120議席のうち61議席とぎりぎりの過半数から5議席増やし、66議席を確保した。
穏健派が犠牲に
連立に加わる条件として、ネタニヤフは国の年金基金に3億6300万ドルを追加することでリーベルマンと合意した。年金受給者の多くは旧ソ連出身で、リーベルマンの最も強力な支持基盤だ。
リーベルマンを迎え入れる代わりに辞任に追い込まれた形になったのが、穏健派のモシェ・ヤアロン国防相。先週、ネタニヤフへの信頼を失くしたとして、突然辞任した。
3月にパレスチナ人の男性がナイフでイスラエル兵を襲い怪我をさせた事件で、怪我をして横たわる犯人の頭を別の兵士が近距離から撃ち抜いて殺したことについても、ヤアロンは「イスラエル国防軍の名折れだ」と兵士を批判したが、リーベルマンは称賛した。
【参考記事】オバマはアラブ世界に謝罪するのか