最新記事

ベネズエラ

ベネズエラ首都で大統領罷免求めるデモ隊と治安部隊が衝突

野党主導のデモ隊による抗議活動は1週間で3度目

2016年5月19日(木)19時33分

5月18日、ベネズエラの首都カラカスで、マドゥロ大統領を罷免に向けた国民投票実施を求めるデモ隊と治安部隊が衝突し、緊迫した事態になった。カラカスで撮影(2016年 ロイター/Marco Bello)

 ベネズエラの首都カラカスで18日、マドゥロ大統領を罷免に向けた国民投票実施を求めるデモ隊と治安部隊が衝突し、緊迫した事態になった。

 野党主導のデモ行進は過去1週間で3回目。数千人が選挙管理委員会のある場所を目指したが、非常線を張って待ち受けていた軍や警察の部隊ともみあいが発生。催涙ガスが放出され、何百人もが逃げまどい、数人が拘束されたほか、1人が意識不明で搬送された。

 ベネズエラでは食料不足が深刻化している上に、停電や断水も頻発し、世界で最も物価上昇率が大きい。こうした中で野党勢力は、マドゥロ大統領が辞任を促す民主的な手続きを妨害すれば、街頭での抗議活動は激しさを増していく、と警告している。

 野党側は昨年12月の選挙で国民の経済的な不満を背景に、議会の過半数を確保したが、マドゥロ氏の辞任を目指したあらゆる法的手続きが、政府寄りの最高裁によって無効と判断されてきた。

 一方でマドゥロ氏は、エンリケ・カプリレス氏などの野党指導者が米国の支援を得てクーデターを企てていると批判する。またイストゥリス副大統領は、大統領の罷免に向けた国民投票は実施しないと繰り返し強調しており、18日のデモについて群衆が軍にガソリンを浴びせて火をつけようとした点などを批判した。

[カラカス 18日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 7
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 8
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 9
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中