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フィリピン大統領選、過激発言のダバオ市長ドゥテルテ氏が勝利を手中に
中国と対立する南シナ海問題については日本や米国などを含めた多国間交渉での解決を希望
5月10日、フィリピン大統領選は、過激発言で知られるロドリゴ・ドゥテルテ氏(写真)の勝利が濃厚な情勢となった。ダバオ市で9日撮影(2016年 ロイター/Erik De Castro)
9日投票のフィリピン大統領選挙は、「犯罪者は射殺」など過激な発言で知られる南部ミンダナオ島ダバオ市長、ロドリゴ・ドゥテルテ氏の勝利が濃厚な情勢となった。
選挙管理委員会が公認する監視団体が発表した途中集計結果によると、ドゥテルテ氏の得票率は約39%に達し、当選をほぼ確実にした。
1420GMT(日本時間午後11時20分)時点で、ドゥテルテ氏は1210万票を獲得しているのに対し、対抗馬のグレース・ポー上院議員、アキノ氏の後継指名のマヌエル・ロハス氏はともに約680万票と、大きく引き離されている。ポー氏はこれを受け、敗北を認めた。
ドゥテルテ氏は、高い成長率が過去数年続いたにもかかわらず、貧困や格差問題を解決できていないとして既存政治への批判を展開。その過激なスタイルで、同氏を米大統領選の共和党候補指名獲得を確実にしたドナルド・トランプ氏に重ねる向きも多い。
ドゥテルテ氏はまた9日、大統領就任が決まれば、中国との間で抱える南シナ海をめぐる問題について、日本やオーストラリア、米国などを含めた多国間交渉での解決を目指すと記者団に発言した。
アキノ現政権は南シナ海問題について、国際法に基づく解決を目指し常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)に提訴しており、同問題に関するフィリピンの方針が変更される可能性がある。