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シリアISISがシリア政権支配2都市で連続テロ、150人死亡
アサド政権が支配しロシアの軍事基地のある都市で合計7回の爆破攻撃
5月23日、シリア西部の地中海沿岸にある都市ジャブラとタルトスで爆発が相次ぎ、約150人が死亡、少なくとも200人が負傷した。写真はジャブラのバス停付近で発生した爆発の現場に展開したシリア軍の兵士(2016年 ロイター/Omar Sanadiki)
シリア西部の地中海沿岸にある都市ジャブラとタルトスで23日、爆発が相次ぎ、約150人が死亡、少なくとも200人が負傷した。アサド政権が支配する地域にあり、ロシア軍基地にも近い。過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した。
在英の民間団体「シリア人権監視団」によると、少なくとも5回の自爆と2回の車爆弾による攻撃が発生し、148人が死亡した。一方、国営メディアは死者の数を78人と伝えた。
ISによる初めての大規模攻撃となったタルトスにはロシアの海軍基地があり、ジャブラ近郊にもロシア軍が展開する空軍基地がある。
今回の攻撃を受けてロシア政府は、シリア内戦をめぐる和平協議を前進させる必要性が強調されたと指摘した。2月に政府軍と反体制派が合意した停戦は戦闘激化で4月に崩壊。和平協議はそれ以降、行き詰まっている。
また、国営テレビによると、シリア外務省は国連に書簡を送り、攻撃は「リヤド、アンカラ、ドーハの敵対的で過激主義の政権による危機を増大させる行為だ」と、サウジアラビアなどの支援を受けた反体制派勢力が実行したとの見方を示した。