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日本政治安倍首相が消費増税の2年半延期を政府・与党幹部に指示
野党はアベノミクスの失敗と批判、与党内からの反発も予想される
5月29日、安倍首相は28日夜、麻生財務相、自民党の谷垣幹事長らに2017年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを2年半延期する方針を伝えた。関係筋が明らかにした。写真は27日、伊勢志摩サミットで記者会見する安倍首相(2016年 ロイター/Issei Kato)
安倍首相は28日夜、麻生太郎副総理兼財務相、自民党の谷垣禎一幹事長らに2017年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを2年半延期する方針を伝えた。関係筋が明らかにした。近く公明党の山口那津男代表とも会談し、通常国会会期末の6月1日までに正式表明する方向で調整を本格化させる。
安倍首相は先の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で、世界経済が危機に陥るリスクに直面しているとの認識を共有したと説明。金融、財政や構造改革などあらゆる政策を動員するのに併せ、消費税率10%への引き上げを2年半先送りし、19年10月とする意向を伝えた。
関係者によると、安倍首相は、増税を延期しても基礎的財政収支の赤字を20年度までに解消する財政健全化目標については堅持すると述べたという。
安倍首相は延期表明について会期末までに表明したい考えで、公明党の山口代表との党首会談での議論も踏まえ、政府・与党間で調整を急ぐ。
(編集:田巻一彦)