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石油カナダ大規模森林火災で石油業界1日55億円の損失
操業停止しても施設の損害がないため保険請求ができない事態に

5月20日、カナダ・アルバータ州の大規模森林火災では、現地オイルサンド業者の生産損失額は1日当たり最大5000万ドルに上るとみられる。フォートマクマレーの被災地で13日代表撮影(2016年 ロイター)
カナダ・アルバータ州の大規模森林火災では、これまでに100万エーカー以上が焼失した。アナリストらによると、現地オイルサンド業者の生産損失額は、1日当たり最大5000万ドル(約55億円)に上るとみられる。
5月5日までに、生産拠点であるフォートマクマレー地域の業者は、避難のため生産減を余儀なくされた。9日時点では日量100万バレル以上の生産が停止した。バークレイズのアナリストは、ロイターに宛てた電子メールで「1日当たり損害額(税引き前)は4500万─5000万ドルに上る」と推定した。
カルガリーを拠点とするマッコーリー・キャピタルのアナリストは「多くの業者にとって、施設の閉鎖はそのまま第2・四半期の減収を意味する」と指摘。「問題は、施設そのものの損害ではないので、事業中断保険の請求ができないとみられることだ。第2・四半期の収益、キャッシュフローそれぞれに影響が波及するだろう」と予想した。
