Jポップカルチャーで国際競争に勝つ! 国内自動車メーカーが独自色
日本がもつ独自のDNAで差別化を図る
4月20日、国内大手自動車メーカーの一部は、無個性になりがちなデザインに日本のポップカルチャーを取り入れ、世界的に似たような車がひしめく業界で独自性を打ち出そうとしている。写真は、日産CCOの中村史郎氏と「ニッサン グリップス コンセプト」。神奈川県厚木市で14日撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)
品質の高さで名高い国内大手自動車メーカーの一部は、無個性になりがちなデザインに日本のポップカルチャーを取り入れ、その「Jファクター」によって、世界的に似たような車がひしめく業界で独自性を打ち出そうとしている。
日産自動車<7201.T>のスポーツカー「GT─R」のデザイナーたちは、人気アニメ「機動戦士ガンダム」からインスピレーションを得た。
日産の専務執行役員でチーフクリエイティブオフィサー(CCO)の中村史郎氏は、ガンダムに代表される日本のアニメロボットのギクシャクした中に生まれるかっこよさ、力強さを表現したかったと話す。
GT─Rを「見たことがない、ポルシェやフェラーリに絶対見えない」、世界中に唯一のデザインにしたかったと同氏は語る。
米ゼネラル・モーターズ(GM)やいすゞ自動車<7202.T>でもデザインを担当してきた経歴を持つ中村氏は、世界の車が似ていく中で、自分たちの独自性を出すためには、日本の美意識を反映させるべきだと主張する。
日本的なものを追及するのは「日本のブランドだから」と断言する中村氏は、「独自性を出していくために、自分たちの持っているDNAみたいなものをベースにやっていかないと一貫性も出ないし、自信も持てない」と説明する。
かつて米フォードの高級車部門リンカーンブランドでチーフデザイナーを務め、独BMWのデザイン子会社でも働いたことがあるリチャード・コン氏は、「大量生産の効率性、規模の経済性、ブランドのグローバル化、リスク回避的な企業風土、自動車の人間工学、インフラ、規制上の制約といったこと全てが、このような(世界的に個性的な車が無くなってきている)現象と関係している」との見方を示した。
「ピカチュウ」や「ルフィ」も
他の日本の自動車メーカーも「Jファクター」を求めている。