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報道100回を迎えたピュリツァー賞、今年はAP・ロイター・NYタイムズなどが受賞
東南アジアの強制労働の実態を暴いたAPの報道は、2000人の労働者解放につながった
4月18日、米報道業界で最高の栄誉とされ、今年で第100回を迎えたピュリツァー賞。ニュース速報写真部門では、欧州の難民危機を報道したロイターとニューヨーク・タイムズが共同受賞した。写真はトルコからギリシャ・レスヴォス県に辿り着いたシリア人難民親子。昨年9月撮影(2016年 ロイター/Yannis Behrakis)
米報道業界で最高の栄誉とされ、今年で第100回を迎えたピュリツァー賞が18日発表され、公益部門では水産業界の労働実態を報道したアソシエーテッド・プレス(AP)が選ばれた。ニュース速報写真部門では、欧州の難民危機を報道したロイターとニューヨーク・タイムズが共同受賞した。
速報報道部門では、カリフォルニア州サンバーナディーノで起きた銃乱射事件を報道したロサンゼルス・タイムズ紙が選ばれた。
APの報道は、米国のスーパーやレストランに水産物を供給するために東南アジアで行われている過酷な強制労働の実態が報道され、2000人の労働者の解放や労働環境の改善につながった。
ロイターの写真報道は、壊れそうな小舟に詰め込まれるように乗った難民が中東から欧州に向かい、やっとたどり着く様子を一連の写真でカバーした。
ロイターのギリシャ・キプロス担当のチーフ・フォトグラファー、ヤニス・バーラキス氏は「何が起きているかを世界に示した。世界はそれに関心を寄せた。ヒューマニティーが依然生き続けていることが示された。こうした不運な人々の声を届けることができた。今回ピュリツァー賞に選ばれ、われわれの仕事がプロとして認められたと感じている」と述べた。ロイターがピュリツァー賞を受賞するのは3度目。