最新記事
株式英国に建設予定の原発プロジェクト難航でフランス電力公社株が売られる
銀行株など含め、相場全体を押し下げ
3月7日、欧州株式市場は反落。財務担当取締役の辞任でフランス電力公社(EDF)が売られ、全体を押し下げた。パリで2日撮影(2016年 ロイター/Jacky Naegelen)
週明け7日の欧州株式市場は反落して取引を終えた。財務担当取締役の辞任でフランス電力公社(EDF)
FTSEユーロファースト300種<.FTEU3>は3.30ポイント(0.25%)安の1341.32で取引を終えた。DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は16.26ポイント(0.54%)安の3021.09だった。
欧州株は年明けに値下がりした後、原油価格の持ち直しや米経済への懸念後退に伴い反発していた。それでも尚、FTSEユーロファースト300種は今年に入って約7%安となっている。JPモルガンは、最近の株価の反発は一時的なものに終わるとし、株式についての投資判断を2007年以来初めて「アンダーウェイト」に引き下げた。
EDFは6.7%下落した。トマ・ピケマル財務担当取締役が辞任したことが嫌気された。EDFは辞任の理由を明らかにしていないが、関係筋によると、英南西部のヒンクリー・ポイントに原子炉2基を建設するプロジェクトが関係している可能性がある。総額180億ポンド(255億ドル)の同プロジェクトは2013年10月に発表されたが、最終的な投資決定は繰り返し延期されてきた。
ブライアン・ガルニエ証券のアナリスト、グザビエ・カロアン氏は「プロジェクトをめぐり社内で意見が著しく食い違っていることを強調するもので、EDFにとって明らかにマイナスだ。プロジェクトが予定通り実現した場合、EDFの財務状況は圧迫されるだろう」と話す。
銀行株も値下がりした。ゴールドマン・サックスはフランスの金融大手クレディ・アグリコル
欧州中央銀行(ECB)が10日の理事会で現行のマイナス金利をさらに拡大した場合、欧州の銀行株は一段安となる可能性がある。銀行に貸し出しを促すことになるかもしれないが、利益を減らすことにもなるからだ。