最新記事

中国経済

中国全人代が開幕、李克強首相「20年まで成長率6.5%以上に」

2016年の成長率目標は6.5─7%、インフレ率目標は7%前後、マネーサプライの伸びは13%前後と発表

2016年3月6日(日)20時26分

3月5日、中国の第12期全国人民代表大会の第4回会議が北京で開幕。李首相は5カ年計画で、2016年から20年までの年平均成長率目標を6.5%以上にすると表明した(2016年 ロイター/DAMIR SAGOLJ)

 中国の第12期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の第4回会議が5日、北京で開幕した。李克強首相は第13次5カ年計画で、2016年から20年までの年平均成長率目標を6.5%以上にすると表明した。また、雇用を創出し、非効率な産業の再編を進める方針も示した。

 中国経済は世界貿易の低迷や金融市場の混乱に直面しており、6.5%という成長率が現実になれば、25年ぶり低水準となる。

 李克強首相は冒頭、所信表明演説に当たる政府活動報告で「われわれの国の発展は一段の困難に直面しており、厳しい戦いに備える必要がある」と語った。

 2016年の成長率目標は6.5─7%とした。インフレ率目標は3%前後、マネーサプライの伸びは13%前後とする。

 財政政策では、国内総生産(GDP)に対する財政赤字の比率を前年の2.3%から3%に拡大する。

 また、経済成長を維持する一方で、利益を出せない「ゾンビ企業」により低迷する産業の再編を進める方針を示した。

 1000万の雇用を生み出し、業界再編や清算などで「ゾンビ企業」の問題を解決し、2016年の都市部の失業率を4.5%以下に抑える。

 2016年の国防予算は、前年比約7.6%拡大する。伸び率は6年ぶり低水準。ここ数年公表されていた貿易収支の具体的な数字は発表されなかった。

 李首相は「株式と債券市場の改革を推し進め、双方の発展において法の支配を強めるとともに、多層的な資本市場の健全な発展を促進させ、直接金融の割合を確実に高める」と述べた。

 さらに、今年も資本市場を「秩序ある方法で」開放し、為替制度改革を続けると明らかにした。

 

[北京 5日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

野村HDの10-12月期、純利益は2倍の1014億

ビジネス

トヨタ、通期の営業益を4000億円上方修正 新車販

ワールド

トランプ氏「ガザ所有」発言、中東の不安定化招く ハ

ビジネス

午後3時のドルは153円半ば、日銀の追加利上げ思惑
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国経済ピークアウト
特集:中国経済ピークアウト
2025年2月11日号(2/ 4発売)

AIやEVは輝き、バブル崩壊と需要減が影を落とす。中国「14億経済」の現在地と未来図を読む

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 2
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギー不足を補う「ある食品」で賢い選択を
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    マイクロプラスチックが「脳の血流」を長期間にわた…
  • 5
    中国AI企業ディープシーク、米オープンAIのデータ『…
  • 6
    脳のパフォーマンスが「最高状態」になる室温とは?…
  • 7
    DeepSeekが「本当に大事件」である3つの理由...中国…
  • 8
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 9
    AIやEVが輝く一方で、バブルや不況の影が広がる.....…
  • 10
    メキシコ大統領の外交手腕に脚光...「トランプ関税」…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 6
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 9
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 10
    「やっぱりかわいい」10年ぶり復帰のキャメロン・デ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 10
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中