最新記事

感染症

「ジカ熱、水無脳症の原因にもなる可能性」エール大の研究チームが警告

ジカウイルスが、脳が小さい小頭症以外に様々な組織へ影響を与えることを指摘

2016年2月26日(金)19時28分

2月25日、米エール大学の熱帯病研究チームが中心となって行われた研究で、ジカ熱に感染した母親から死産で生まれた胎児が、水無脳症だったことが分かった。写真は小頭症の乳児と母親たち。ブラジルで18日撮影(2016年 ロイター/Ricardo Moraes)

 米エール大学の熱帯病研究チームが中心となって行われた研究で、ジカ熱に感染した母親から死産で生まれた胎児が、脳の組織が無く液体が貯留する水無脳症だったことが分かった。単独の症例であることから一般化は難しいものの、ジカウイルスの影響が、生まれつき脳が小さい小頭症にとどまらない可能性が示唆された。

 今回対象となった胎児の場合、体内の液体を制御できなくなる胎児水症も発症しており、肺や腹部など、体の他の部分にも異常な液体貯留が見られたという。中枢神経の外の組織に対するジカウイルスの影響が指摘されたのは初となる。

 さらにこの胎児には、関節が動かなくなる関節拘縮も見られたという。

 これまでのところ、ジカ熱と異常出産の関係が指摘されているのはブラジルにほぼ限られている。

 研究結果は、「PLOS Neglected Tropical Diseases」に掲載された。

   

[シカゴ 25日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB利下げ、6月再開との観測高まる CPI伸び鈍

ワールド

米の鉄鋼・アルミ関税、国内生産強化されるまで継続=

ワールド

米、12日にロシアと接触へ ウクライナ停戦案巡り=

ワールド

米ブラックストーン、トランプ大統領の通商政策支持
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「腸の不調」の原因とは?
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    株価下落、政権幹部不和......いきなり吹き始めたト…
  • 5
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 6
    トランプ第2期政権は支離滅裂で同盟国に無礼で中国の…
  • 7
    113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎…
  • 8
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 9
    SF映画みたいだけど「大迷惑」...スペースXの宇宙船…
  • 10
    「トランプの資産も安全ではない」トランプが所有す…
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 6
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 7
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 8
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 9
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 10
    「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中